第67節 加入、そして… (設立編33)

「ありがとう、良く分かったわ。」

「何が?」

「貴女たちの関係よ…そして、私の意思はより固くなったわ。」

「…どういうこと?」

「私もこの組織に入れて頂戴!」

「は⁈突然どうした?こちらとしてはとても有難いが、何故突然入る気になったんだ⁈」

「貴方たちの敵がかなりの強さを持っているってことと、他に彩羅のような子を出さない為にも貴方達の仲間になりたいの‼︎」

「成程、お前の考えは分かった。それで、彩羅お前は良いのか?」

「はい。ここまで意志が固いと考えを変えることはないでしょうし、私も認めますよ。」

「そうか、それじゃあ決まりだな。だが、申し訳ない。まだ、正式な組織名は決まっていないんだ。」

「そうなの?じゃあ私が提案しても良いのかしら?」

「ああ、勿論構わない。何か良い名前のアイデアでもあるのか?」

 「トルマ・ダイヤ、なんてどう?」

「どう?と言われても俺はよく分からん。教えてくれ」

「照さん、これは2つの鉱石の名前をくっつけたものです。」

「それは分かる。‘ダイヤ’が入っているからな。なんとなく鉱石の名前だとは思う。その…‘トルマ’の方を教えてくれ。」

「分かりました、教えましょう。‘トルマ’とは‘ピンクトルマリン’の名前の一部で、『思いやり、広い心、思慮深さ、希望』という石言葉を持っている鉱石です。」

「成程。つまり、“ダイヤのように明るい未来へ導く”ということか?」

「そう、彩羅が説明してくれたといえどすぐに分かるなんてさすがは私達のボスね。」

「ボス?まだ組織はできていないし、ボスになるつもりもない。だから、ボスはやめてくれ。」

「でも、ボスよね?」

「うん、照さんは既にボスだと思うわ。私達をまとめているのも照さんだし。」

「分かった!ボスは認めるから、せめて会社で言う名誉会長的な感じで頼むよ。俺は目立ちたくないんだ。だから、しっかりと組織を作る時は実務をこなすトップを置いてくれ。」

「まあ、本人が嫌がっているし。これくらいにしましょう。」

「そうですね。」と癒天も先輩に賛成のようだ。

「ホープ、今度お前に会って欲しい人がいるんだ。良いか?」

「ええ、構わないわ。それで、日程はどうするの?」

「そうだな…、再来週の土曜日にここででどうだろう?」

「分かったわ、それじゃあ2週間後の土曜日にまたここで。」

「おう、3人もまた2週間後にここで。」

3人も了承し、この建物からそれぞれの家に帰った。

 俺も家に帰りTVでニュースを見ていた。すると…

《とても奇妙な事態が発生した模様です。

一切傷等の無かった死体が消えていたとのことです。》

 (どういうことだ…?そんなことが出来るのは…)

「奴等め、また何か始めたようだな。組織作りを急がねば…」

 (死体なんかを集めて何をするつもりなんだ、あの男は…)






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