第63節 ホープの“能力” (設立編29)

「分かった、それで良いわ。」

「じゃあ、決まりだな。話してくれ」

「先ず私の能力名は、“空玉(エア・ボール)”と言って、とてもシンプルな能力よ。空気を球状に変質させて守ったり遠距離から攻撃を仕掛けたり出来るわ。」

「大体どれくらいの大きさまでコントロール出来るんだ?」

「そうね、1番小さいと直径2センチくらいで1番大きいと今は直径3メートルってところかしらね。」

「ほう、結構万能じゃないか。彩羅お前の良い相方になってくれそうじゃあないか。」

「取り敢えず今教えられるのはここまでかしらね。」

「成程。こちらとしてはかなり欲しい能力だな。俺としては是非とも仲間になって欲しいところだが、彩羅お前はどうだ?」

「私は反対です。付き合いがあるとはいえ、ディアは外から来た人間です。それにこれは私たちの問題なのでディアを巻き込む必要はありません。」

「そうか。それで、ホープお前は仲間になりたいと思うのか?」

「今はそれより貴方たちの関係を知りたい欲が勝っているの。だから早くその方法というのを教えなさい!」

「分かっている。だから、声を荒げるなよ…耳に響くだろ。これからその方法というのを教えようとしているんだろ?」

「そうだったわね。また、取り乱してしまったわ。話して頂戴…」

「その方法というのは、俺と試合をすること。」

 「は?何でアンタと闘うことになるのよ!全く関係ないじゃない!何を言っているの⁈そうか!絶世の美少女2人に挟まれて頭がおかしくなったのね!」

「違うわ、アホ!ちゃんと関係あるわ‼︎だから、俺とお前が闘うという方法を提案しているんだ。」

「ふーん、そう。なら、その提案に乗ることにするわ。」

「良し、話は決まった。後は日程を決めるだけだな。お前は何か希望日はあるか?」

「うーん、そうね…再来週の金曜日でどう?」

「良し、それで行こう」

「じゃあ、再来週の金曜日にしっかりコイツを連れてきてくれよ!」

「分かっていますよ!」

3人はそれぞれの帰路に着いた。

 そして、約束の日になった。

俺は、火花先輩・凍士・癒天の3人と地下室の武舞台のある部屋で2人が来るのを待っていた。

 (お、来たようだな…)

「すみません、遅れてしまいましたか?」

「いえ、問題ないわ。照は時間の指定をしなかったのでしょう?」

「はい」

「僕も問題ないと思います。師匠は時間に少しばかりルーズですからね。」

「そう、だから問題ないわ。」

「そうですか、良かったです。」

「そしてこちらが…」と彩羅がホープを紹介しようとしたところ…。

 「必要ありませんよ。僕等は既に師匠からディアさんのことは聞いていますから」

「はあ、君は小学生だから分からないだろうけど、“立前”というのは必要なのよ」

「そうなんですね、覚えておきます。」

「では、改めまして。こちらが私の昔からの知人で私と照さんのクラスメイト…」

「ブローディア・ホープよ。宜しく。」



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