第62節 続・2人の関係 (設立編28)

「ただ、私に甘過ぎるだけだと思いますけどね…」

 「良いお父さんじゃあないか」

「そうですけど…常に見られている気がして落ち着きませんよ」

「そういうものなのか?」

「そうです」

「そうか、なら良い。俺が他の家の教育方針似てる口出しすることでもないしな」

「話の続きを話しても良い?」

「そうだったな、すまん。続けてくれ」

「私達は直ぐに仲良くなったわ。けど、暫く経ってから彩羅が家に帰って来てないことを父から聞いたの。」

「貴方何か知ってる?」

「一応、知ってはいるが取り敢えず話を続けてくれ。」

「分かったわ。その後、死亡のニュースが出ていないことで彩羅が死亡していないことを確信して彩羅の親たちと協力して彩羅の捜索を始めたわ。そして…」

「5月に彩羅が戻って来た知らせを受けたというわけか。」

「ええ、そうよ。だから、私としては幼馴染に近い感覚なのだけど。彩羅からすると違うのでしょうね」

 「ええ、私からすれば少し関係の深い知人という感覚ですね。」

「まぁ、そうでしょうね。10月野中旬くらいに久しぶりに会った時は全く私のことを覚えていなくてショックだったわ。」

 「まぁ、10年以上会っていなかったらそうなると思うが。」

「分かっているけど、その時は本当にショックだったのよ。それで、火野くん早く教えてもらえるかしら?」

 「言っておくが、分からないことがあっても俺にあたるなよ?」

「勿論よ」

「まあ、話すには先ずある事件についてから話すことになる。良いな?」

「ええ、勿論分かっているわ。」

「先ず、ある2人組の怪奇事件がニュースで大大的に報道されていたんだ。」

「その怪奇事件って何?」

俺はホープに事件について説明した。

 「てことは、彩羅はその事件の実行犯だったってこと?」

「そうだ。そして、報道がされ始めてから半年が経った時、彩羅の他にその時の俺と同じくらいの背丈の男と容姿が20代前半くらいの女に遭遇した。」

「まさか、その女が…?」

「そう焦るな。取り敢えず話の続きを聞け」

「ごめん、取り乱してしまったわ。話の続きをお願い。」

「ああ。そして、俺は少し手荒な方法だったが、彩羅を気絶させたら、その身体から黒いもやが出ていった。そして、俺はその男に彩羅は支配されていたことを確信した。」

 「ふーん。それだけ?」

「ああ、今話せるのはここまでだ。」

「そう。まぁ、良いわ。次は貴方と彩羅の関係を聞かさて貰える?」

 「今日会ったばかりのお前に話す必要はない。」

 「何よ、つれないわね。彩羅、貴女は話してくれるわよね⁈」

「威圧しても私も話すつもりはないわ」

「何よ、つまらないわね…」

「そういう態度をとっても俺たちの考えは変わらない。」

 「じゃあ、私の能力について教えるから貴方たちの関係を教えて頂戴。」

 「それは、できない。が、それを知るための方法を与えてやろう。」

 「分かった、それで良いわ。」

 


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