第61節 理由と2人の関係 (設立編27)
「そうか。それで、何で尾行なんてしようと思ったんだ?」
(まさか、奴等からの刺客か?それともまた別の敵なのか?どちらにしても警戒すべきだな。俺の探知のレベルが低いのもあるだろうが、僅かしか気配を感じなかったからな)
「個人的な理由。本当に個人的な理由よ」
「それじゃあ納得出来ない。ちゃんと理由を言え。」
「何で今日会ったばかりの貴方に言わないといけないの?私の自由じゃない」
「なら、もっと上手く尾行すれば良かっただけだろ?」
「何が言いたいの?」
「お前は敵なのか?」
「敵?何を言っているの?」
「なら、尾行の理由を言え」
「私は貴方と彩羅の関係が気になったから後をつけた、それだけよ。」
「そうなのか?彩羅、お前はどう思う⁈」
「正直、今判断するのは時期尚早だと思います。」
「そうか。しかし、俺はしっかりと聞いてから判断しよう」
「分かったわよ。話すわよ…」
「そうしてくれ。」
「私は貴方と彩羅の関係が気になったから、それを突き止めようと思って…」
「それは私が話しましょう。」
彩羅は自分と照の関係をありのままホープに話した。
「成程、自己紹介で言ったことは間違っていないってことね。よく分かったわ」
「それで、お前は“能力持ち”だろう?」
「そうよ、よく分かったわね。」
「ただの勘だよ」
「だとしても本当によく分かったわね」
「まあ、俺の勘は割と当たるからな」
「それで良いわ。それで2人で何の話をしていたの?」
「特に何も話していない。その前にお前が尾行していることに気づいたからな」
「私のせいだったのね…」
「まぁ、話そうとしていたことは学校でのことだったが、気が変わった。お前と彩羅の関係を聞きたくなった。教えてくれないか?」
「何故、そんなことを知りたいの?」
「単純に興味があるだけだが?」
「まあ、隠す様なことでもないから別に良いけど…」
「それじゃあ話してくれないか。」
「ちょっと待って下さい!私は全く身に覚えがないのですが…」
「だから、ホープに話してもらうんだろ?」
「そうですね、すみません。
それじゃあ。ディア、お願い。」
「分かったわ。先ず、私と彩羅が初めて会ったのは東京都文京区の私達が止まっているホテルに彩羅たちの家族が来たのが初めて顔を合わせたの。その時、私は彩羅のあまりの可愛さに見惚れてしまったわ。」
「その気持ちはよく分かるぜ…」
「良かった、同志がいて。と、そんなことはどうでも良いわ。というのも、彩羅の父親と私の父が仕事で仲良くなって、すぐにプライベートでも仲良くなってお互いの家族を紹介することになったそうよ。」
「それで知り合ったと。」
「そうよ。日本で顔合わせすることは直ぐに決まったそうよ。私の父が日本が良いと言って、彩羅の父親も快く了承してくれたそうよ。」
「ほお、彩羅のお父さんは人柄が良さそうだな。」
「ただ、私に甘すぎるだけだと思いますけどね…」
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