番外編3-2 結果報告

「やっぱり、火花さんには敵いませんね」

「そう簡単に勝てると思う?」

「それもそうですね」

「それにしても貴方この短時間でよくこれ程強くなったわね。」

「いえ、まだ全く足りません。照さんに言われたことを心に留めて鍛錬を続けます。」

「それが良いわ。けど、今回の貴方の敗因はなんだと思う?」

「火花さんの接近に気づかなかったことですかね…」

「まあ確かにそれもあるわ。けど、一言で言うなら油断大敵というやつよ。タイルをコントロールして私に飛ばすというのは良い作戦だったけどその後が無い。それに私がタイルを投げ返したタイルを避けたことで危機を回避したと警戒を解いたことが1番の原因よ。」

 「なるほど、ありがとうございます。」

「それじゃあ、今日はもう彩羅の家へ帰りなさい。大きなダメージにはなっていないと思うけど、念の為にしっかりと体を休めなさい。」

「分かりました」

そうして、鉱己は彩羅と2人で泊まっている彩羅の家へ帰って行った。

 「ふう、危なかったわ…まさか、あれ程の能力を持っているなんて私が熱エネルギーで身体能力の教科をしていなかったら負けていたかも知れないわね。」

 「それ程ですか…」

「ええ。凍士君、貴方も私程ではなくても多少苦戦するかもしれないわ…」

「ええ、それは見ていて分かっていますよ。あの人はこちら側で良かったとつくづく思っていますよ。」

 「私も同意見よ。」

そして翌日。

 凍士・火花・彩羅・鉱己野4人は照の病室へ試合結果と鉱己の能力説明のために訪れた。

 「先輩、鉱己の試験は合格ですか?」

「ええ、合格よ。これからの成長を思えば“攻撃能力持ち”の中では誰よりも伸び代があると思っているわ」

「それ程ですか…?」

「ええ、少なくとも私はそう感じたわ」

「そうですか…凍士、そして彩羅さんは鉱己の試合を見てどう思った?聞かせて欲しい…」

 「そうですね、僕は大体火花さんと同じですかね。違うところがあるとすればとても“戦士”とは思えませんでした」

 「どういうことだ?」

「火花さんに負けて武舞台のタイルの数枚を浮かせて飛ばすということをしたのですが、追撃をせず、火花さんがその飛ばされたタイルのうちの一枚を掴み、投げ返したのですが、その時避けただけでアンドの表情を見せたのでとても“戦士”とは思えませんでした」

「うむ、成程。それは試合の一部をみての感想だろう?」

「…ッ、はい…」

「なら、まだ決めつけるには早すぎる。

もう少し経ってからもう一度確認すると良いだろう。」

「分かりました」

「それじゃあ、彩羅さん。貴方の意見を聞かせて欲しい。」

 「そうですね…私は、火花さんと同じですね。最初に会った時は凍士くんも言っていたとおりとても“戦士”という感じではありませんでしたが、成長して“戦士ぽく”なったのでこれからはさらに成長速度が上がると思います。」

「そうか、ありがとう。鉱己お前の仲間入りを承認する!」

 こうして、鉱己は照たちの組織の仲間になった。

 その後、鉱己は北海道に帰って行った。



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