第57節 紹介3 (設立編23)
土曜日、先輩と彩羅は鉱己の迎えに羽田空港へ行った。
「良く来たな」
「あの時は助けて頂いてありがとうございます‼️どんなに感謝しても足りませんよ‼️」
「泊まるところは決まってるの?」
「はい、近くのホテルに泊まろうかと」
「予約はしてあるの?」
「いえ、特には…」
「そう、なら私の家に来なさい。貴方の泊まる部屋くらい用意できるわ」
「そうですか…しかし、また貴女にお世話になっては申し訳ないですし…」
「であれば、私の家はどうですか?」
「えっ…⁈」
「私は貴方を助けた訳ではないですし。なんなら、私と貴方は姉弟弟子なのですから問題ないでしょう?」
「しかし…」
「大丈夫ですよ。私の家は3人であまり大きい家ではありませんが、貴方の泊まる部屋くらいはありますから。」
「そうですか…」
「じゃあ決まりで!」
そして、鉱己は彩羅に無理矢理連れて行かれた。鉱己としてもこれ以上火花の世話になる訳にも行かなかったので丁度良かったが是否を決める前に連れて来られてしまった。
「ここが私の家です」
そこにはあまり大きくないどころかかなりの大きさがありそうな豪邸があった。
「本当にここですか…?」
「はい、そうですが。」
(仕方ない、ここで5日間過ごすか…)
こうして、鉱己は諦めて5日間を過ごすことにした。
翌日、2人は俺より少し小さいくらいの少年を俺のいる病室に連れて来た。
「照さん、ご紹介します。こちらにいるのが…。」
「初めまして。僕は圧田鉱己(あつだこうき)です。よろしくお願いします、照様。」
「こちらこそ、初めまして。鉱己くんのことは2人から聞いている。それと様付けは辞めてくれ。」
「何故ですか?僕を助けてくれた火花さんの師匠で今作ろうとしている組織のトップなのでしょう?」
「トップ⁈違うと思うが…。それにまだ組織はできていない」
「そうですか…早とちりしてしまいました。」
「それで、君の話を聞きたいのだが。君が2人に助けられたところから。」
「分かりました、お話します。先ず、僕は不良グループにカツアゲに逢っているところを見ると火花さんに助けていただきました。」
俺は鉱己の話を真剣に聞いている。
「そして、助けていただいた後。僕は北海道で仲間集めをするという条件で弟子入りをしました。」
「先輩、弟子なんていつの間に…」
「良いじゃない。戦力は多いに越したことはないでしょう?」
「それはそうですけど…。まあ、結果オーライということで…」
「そして、僕は火花さんに2日間修行をつけていただきました。その後、お二方がこちらに帰られてから不良グループが僕の所に報復に来たのですが、まだ慣れていないながらも能力を使って返り討ちにしたのです…。そして、退散しようとする不良グループに僕から攻撃することはないことを伝えると何故か感動したように僕の子分になりたいと言って来たのです。」
「それでどう返したんだ?」
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