第55節 再開 (設立編21)
「成程、それを見つければ何か見えるかも知れないってことか…」
「そうだ」
「それじゃあ、帰ってお前に言われたことを実践してみるよ」
「おう、また来てくれよ」
榴は病室を手を振ってから出て行った。
翌日、昼のニュースにて。
《横浜市で一切傷のない死体が発見されました。》
(…ッ。奴等がまた動き始めたのか…)
《死体の第一発見者は『今でも本当に信じられません。外傷は勿論、内からの出血痕さえ見られませんでした。』と驚きを述べていました。》
(奴等め、どういう方法をとっているんだ…)
《犯人は見られませんでしたが、警察は以前の怪奇事件の真犯人による犯行の方向で捜査を進めているとのことです。》
「どういうことだ?あの時彩羅は先輩の首を掴んでいたが、俺が先輩に確認した時には首に掴まれた痕があった…奴等はどういう方法でエネルギーの回収をしているんだ⁈」
・
福はリバイバーの1人ネモにある命令を下していた。
「ネモ、お前たちに頼みがある。」
「はい、どんな命令であっても実行致します。」
「意気込みは良い。頼みとは…」
「分かりました、お引き受けします。」
「頼むぞ、あの2人には頼めんのだ。特にケイジュは信用しきれんのだ。」
「分かりましたッ。必ず福様に吉報をお届けして見せましょう!」
「お前の意気込みはよく分かった。行動に移ってくれ。分かりました。」
ネモは自分がトップを務める拠点に戻り一人の部下を自分のいる部屋に呼んだ。
「よく来てくれたわね、待っていたわ。」
「ありがとうございますッ!貴女様の為であれば死も怖くはありませんッ!」
(こういうところは本当に私によく似ているわね)
「そう、それはありがとう。ギリ、今日貴女を呼んだのは貴女にしか頼めない任務があるからよ。」
「はい、それはどういう任務なのでしょうか?」
「それは…」
ネモはギリと呼ばれた10代後半くらいの少女に福から頼まれた任務を与えた。
「はい、分かりました。この国を我々の為にッ…!」
「ありがとう、信頼しているわよ。」
「はいッ…!」
「それともう一つ。フリーをここに呼んで来て頂戴。」
「分かりましたッ」
こうしてギリは福からの任務をネモを通して引き受けた。
このギリという少女彩羅程では無いが美しい容姿をしている。それに任務も完璧にこなすことが出来る。よって、フクたちはギリに絶大な信頼をしている。
しかし、唯一の欠点は直属の上司であるネモは勿論。福に至っては神の様な扱いていて、本人たちを前にすると必ず意気込まずには居られず毎回福たちを困惑させる。
フクたちからは裏で“残念美少女”というあだ名をつけられているほどに飽きられている。
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