第52節 命令 (設立編18)
「そのままの意味さ。あの男は君たちが協力すればどうにかなるレベルではないということだよ。」
「ボス、どういうことか詳しく教えて欲しい。」
「先ず、回復力。あの男の回復力は人の域ではない。次に戦闘力。さっきも言ったが、ネモを一発で気絶させる攻撃力。そして、一瞬で彩羅との間合いを詰めることの出来るであろう、スピード。それは進化前の僕と同等かそれ以上だよ。」
珊瑚とケイジュは男から出た言葉に唖然としていた。それは決して男を信頼していないわけではない。男の強さを知っているからこそ『信じられない』と唖然としているのだ。
ここでケイジュが男に確認もかねて質問した。
「その男の強さはそれほどなのか?」
「ああ、その通りさ。しかも僕が進化を果たしてパワーアップしたことで勝てないと分かっているのに東京全体が震えるほどのエネルギーをかなりの危険を伴ってではあるがコントロールして進化して強くなった僕を全身から出血が出る程追い詰めたのだから。これで君たちが協力してどうにかなるレベルではないことはよく分かっただろう?」
「…ッ」
「……」
「釘を刺しておくが、今言った男には決して戦いを挑んだり挑発等の問題は起こすなよ⁈そいつに勘づかれたら今度こそ僕たちの計画は詰む可能性が高いのだから…」
「分かってんよ!」
「オレも分かってるぜ!」
「そうか、なら会議を始めようか。」
「「おう」」
「さてと。進行は…ネモ、頼むよ。」
「はい、お任せください!先程、福様が言われていましたが、計画の一部変更をせざるを得なくなりました。2つのことを同時に進めなくてはいけません。」
「2つって何と何だい?」
「1つは今まで通り、負の感情エネルギーの収集。もう一つはあの男が作ろうとしているまたはトップの組織の調査と破壊。この2つを同時に行わねばなりません。」
「そんなに難しくないじゃあないか」
「そんなに簡単なことではありません。まず、あの男の仲間若しくは弟子等の関係の深い人を探して関係を構築する必要があるのですから」
「それくらい俺だって分かってらぁっ!」
「釘を刺しておくが君たちが表立って行動することは認めない。」
「何で⁈」
「簡単だ、あの男は僕たちを感知する何らかの方法を持っているからな。精度は分からないが、君たちが行動すれば恐らく、いや、ほぼ確実に気取られるからね。部下を使って、それも隠密性の高い部下を使って慎重に進めてくれ。」
「分かったぜ!」
「オレも!」
「言わなくてもわかっていると思うが、ネモお前は少し根を詰めすぎる節があるからな。まずは休め!良いな⁈」
「分かりましたッ。」
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