第50節 紹介2 (設立編16)

「師匠、師匠も交えて話したい事があるのでその機会を作っていただけますか?」

「その話ってのは奴等に関わりのあることなのか?」

 「はい、僕は関わりがあると思っています。」

「分かった、なら確保しよう。いつが望ましいとか要望はあるか?」

 「特にはありませんが、そうですね…

2週間後の日曜日はどうでしょうか?」

「分かった、そうしよう。」

 そして、約束の日になった。

凍士は俺と同じくらいの1人の男子中学生を連れてきた。

「凍士、お前が連れてきたその人は…?」

 「そうですね、すみません。自己紹介をお願いします。」

 「初めまして、火野照(ひのしょう)さん。僕は石上榴(いしがみりゅう)、宜しく。」

「こちらこそ宜しく。榴さん」

「“榴さん”なんて他人行儀な呼び方はやめてくれないか、普通に“榴”って呼び捨てで良い。」

「分かった、なら榴も俺のことは普通に

“照”って呼び捨てにしてくれ」

「分かった、そうしよう。照に聞きたいことがあるんだ」

「なんだ?」

「僕は君の弟子の凍士くんに暴走状態から助けてもらった」

「うん」

「その後、お礼も兼ねて凍士くんの要望に答えて僕も“超人”という者の仲間入りをしたらしい。それで凍士くんの他にも過去を乗り越えて超人になった人が2人いると教えてもらったんだ。だから…」

「分かった、どうやって乗り越えたか教えて欲しいということだろ?」

「その通り」

「俺の場合は少し特殊だと思う。」

「というと?」

「俺は、過去を乗り越えてから能力に目覚めた訳じゃあ無いんだ。先ず、先に能力の一部が無意識ではあったけど使えるようになった…その後、過去を乗り越えて自在にコントロール出来るようになったって感じだ」

「確かに、少し変わっているかもしれないな」

「だろ?俺意外にこのタイプの事例を聞かないからな少し変わっていると思っていたんだ」

 「榴、お前に聞きたいことがあるんだ」

「ああ、勿論構わない。」

「先ず。榴、お前は今の状態が本来の姿で良いのか?」

「…?そうだが…。何を可笑しなことを」

「そうか、ありがとう。次にお前はどうして癒天に脅迫なんてしたんだ?」

「癒天?誰だ、教えてくれないか」

「ああ、小学生の女の子だよ」

「そうか、ありがとう。その子に強迫か…そんな行動を取るようになった原因があるとすれば、僕はある女の人に『力をやろう』と言われて体の中に何かが入った気がしたんだ。それが原因じゃあないかと僕は思っている。」

 「もう少し詳細に教えてくれないか。凍士から聞いていると思うが、俺たちはある男たちに対抗するために組織を作ろうとしているんだ。」

「分かった、僕の知る限りのことを話そう。」

 「ありがとう」


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