第47節 報告と結果 (設立編13)

「ん、なんだ?何か用か?」

「師匠に報告しておきたいことがあってので電話させていただきました」

「そうか、なら手短かに要件を言え。俺は入院している身だが、暇ではないからな。」

「分かりました。出来る限り簡潔に報告出来るよう頑張ります!」

「意気込みは良いから、早く報告しろ!」

  「そうですね。すみません!まず、小5の女の子が男子中学生6人から脅迫を受けている現場を目撃し、その男子中学生の内の1人の様子が少しずつ可笑しくなり、暴走しその暴走した男子中学生を行動不能にした時に体から薄紫の煙が出ていました。」

「…ッ!ということは奴らが行動を再開したのか…ということはまた治安が悪くなるな。報告はそれだけか?」

「次に、その女の子が4年前に師匠に助けられたらしく、師匠のところまで案内しても良いでしょうか。」

「勿論、構わない。これで終わりか?」

「いえ、もう一つあります。その女の子が能力持ちでした!」

「そうか。では仲間に引き入れるかは顔を合わせてから決めることにする」

「ありがとうございます、それでは失礼します」

 この後、凍士は自分の家に帰った。

榴さんの暴走を止めてから、8日が経過して7月に入った。

 今日は土曜日、凍士は榴たちが来るのではないか、なんとなくそんな気がしたのだ。 

 だから、自分が指定した場所で待っていた。

10分後、榴さんが公園にやってきた。

 どうやら成功したようだ。

 (僕はほっとした)

「ここに来たということは終わったということですね」

「ああ、君が言ったことは6人全員が実践したよ。」

「じゃあ…!」

  「けれど、生き残ったのは僕ともう1人だけだよ」

 凍士は恐る恐る榴に聞いた。

「その失敗した4人は…?」

「聞かなければ良かったと思うよ。それでも聞くかい?」

「はい…」

「そうか、なら話そう」

「3人は廃人状態にしてなってしまった。

生きてはいるが、植物状態に近いそれも生命維持装置を使ってなんとか繋ぎ止めている状態だ。」

「そうですか…、後一人は…?」

「自ら命を絶ったよ。自分のした罪に耐えきれなくなって大型トラックに突っ込んでね…」

「そうですか…。まぁ、あり得るとは思っていましたから」

「…?どういうこと?」

「正直僕らも何とかって感じだったので…」

「そうか。因みに僕“ら”と言っていたが、君以外にも過去を乗り越えた人達がいるのか?」

「ええ。いますよ、今知っているところでは2人いますよ」

 「そうか、全員何とか越えた感じなのかい?」

「そうだと思います」

「そうか、じゃあ今度その人たちのこと紹介してくれないか?」

「勿論。そう言えば榴さん、元々は今のような感じだったんですか…?」

「そうだよ。僕の中に何かが入ってから変わったみたいだ」

「榴さんは何故癒天にあんなことを…?」

「申し訳無いが今言うことはできない」

「そうですか…。どこから情報が漏れるか分かりませんしね」

「そういうこと。」

「じゃあ、僕は帰るよ」

「はい、また今度」


 

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