第46節 凍士の仲間集め4 (設立編12)
「どういうことだ?説明してくれ」
「分かりました、火花さん曰くその人にとって最も辛い過去を乗り越えると“超人”という人間の上位種族に進化できるらしいです」
「つまり、先ずはその“超人”とやらに進化してその後組織作りの手伝いをすれば良いんだな?」
「そうです、が。かなり危険な上に簡単ではありません。」
「危険というのは…?」
「はい、失敗した時の危険です。火花さん曰く、進化に失敗すると自殺に追い込まれてしまったり、廃人のようになってしまうそうです」
「確かに、かなりの危険だな…。だが、それくらいできなければあの女の子への謝罪も君への感謝もできない!」
仲間5人も相槌を打っている。
榴さんと同じ意見らしい。
「分かりました、では終わったら僕の通っている小学校の近くの公園に土日の夕方頃に来てください」
「分かったそれじゃあ僕たちは帰るから」
そう言って榴さんたちは帰っていった。
「そう言えば、君の名前まだ聞いていなかったね」
「そうですね…。私の名前は、女無癒天(めなしゆめ)。貴方は?」
「僕は、氷川凍士(ひかわとうじ)。学年は小4・年は10。癒天、君は能力持ちだろう?」
「何故、それを?」
「簡単だよ。普通は嫌な顔くらいする筈なのに、そんな顔すらしなかったからな。」
「成程ね。しかし、少し違うわ。確かに私は能力持ちよ。けど、顔に変化が無かったのは元からよ」
「どういうこと?」
「私は感情を顔などの表に出すのは苦手なのよ」
「成程、納得したよ…。申し訳ないが、年を教えてくれないだろうか」
「構わないわ。学年は小5・年は11よ」
「ありがとう、次に能力名と能力の内容を教えて欲しい。僕は“氷結”空気中の水分を固めて氷にする能力。」
「私は“治癒”傷を治す能力よ。どんな傷も治すことができる、代わりに一切の攻撃能力はない。簡単でしょ?」
「確かに、非常にシンプル且つ強力だね。」
「貴方に聞きたいことがあるのだけど…」
「何?年下の癖にタメ口で話すなってこと⁈」
「違うわよ‼︎」
「じゃあ何?」
「4年前、私を助けてくれた人のところに案内して欲しいの」
「何でそのお願いを僕に?」
「なんでって…あの時貴方も現場にいたでしょう?」
「何でそれを知っているんだ⁈」
「私からは貴方が見えていたのだから当たり前でしょう?」
「そうか」
「それで案内してくれるの?」
「案内するよ」
「でも今日はだめだ、師匠のことだから大丈夫だとは思うけど…念の為に連絡しないと…。」
「分かったわ、それでいつなら良いの?」
「明日から、2週間後の土曜日。」
「 分かったわ、そうしましょう」
僕は師匠に電話をかけた。
「ん、なんだ?何か用か?」
「師匠に報告しておきたいことがあったので電話させていただきました」
「そうか、なら手短かに要件を言え。俺は入院している身だが、暇ではないからな。」
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