第43節 凍士の仲間集め (設立編9)
照から対抗する組織を作るために仲間を集めて欲しいという任務を与えられてから1週間が経過していた。
凍士は今小学4年生になった。
初めて会った時の照より一つ年上になっている。
(師匠からの任務、絶対に期待以上の成果を出すんだ!そうじゃないと最初に弟子入りしたアドバンテージを維持することも、師匠に期待さえしてもらえなくなってしまう)
「なんだ⁈体が震えている…。これが師匠の言っていた“邪悪の感知”なのか…?」
(しかし…少し違う気がする…何が違うんだ?まだ自分の理解度が足りないのか?)
などと考えながら凍士は2キロを20分以内から15分以内に変更して持久走を行っていた。
すると、何やら男子中学生数人にだる絡みされている自分と同じくらいの女の子を見かけた。
(これは丁度いい、僕がどれほど強くなったのか少しでもあの時の師匠に近づく事ができたのか確認することができる)
「先輩達何してるの?」
「何って、このメスガキに“教育”してるんだよ!」
「“教育”?こんな小学生を脅すことが?」
「何だ?お前も俺たちに文句があるのか?」
「文句?いいえ、シンプルに疑問を投げかけただけですが。」
「そうか、ならお前が来る前にあったことを教えてやろう。」
そう言って、脅迫グループのリーダーポジションぽい男子中学生が僕に話した。
奴らが言ったことは、ジャンケンで負けた奴が他の奴の荷物を持つということをしていて1人の男子中学生に荷物を預けていた所に女の子がやってきて注意されたらしい。そして、自分の立場を理解させようとしたらしい。
というなんとも自分勝手な言い分だった。僕は呆れてしまった。中学生という半分大人になっている人生の先輩とは思えず呆れてしまった。
「なんだ?可笑しないことを言っているか?」
「はい。少なくとも僕は可笑しいと思いました。」
「ちょっと待ってください!これは私とこの人たちの問題なんです!貴方は関わらないでください」
「そう。分かった関わらない、けど見物はさせてもらうよ」
「それはお好きにどうぞ」
「それじゃあ、お言葉に甘えさせて頂くことにするよ」
僕は少し離れたところから女の子と脅迫グループを見ていた。
暫くして、男子中学生のグループは少しずつ女の子を殴り初めた。女の子は敢えて喰らっているようだ。シンプルに疑問を覚えた。恐らく、数人の男子中学生であれば満足したら直ぐに離れると思っていたのだろう。しかし、気を良くした男子中学生グループは少しずつ威力を強くし始めた。
「明らかに“教育”じゃあないですよね。」
「何を言ってんだ?」
「“教育”の域を出ていると言っているんです」
「あぁ、そうかも知れねぇな。けど俺たちには関係ねー」
「そうですか、でもこれ以上は見過ごすことは出来ません」
「そうか、じゃあお前が俺たちノ相手をしてくれるノカ?」
「私も反撃しますから。お願いですから関わらないでください」
「そう、じゃあそうするよ」
中学生グループの内の1人の様子が少し変わっていた。
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