第41節 2人の仲間集め3 (設立編7)

そして…会った日から、3日後の夕方。

 2人は宿の近くを散策していた。

そこへ強い覚悟の顔をした鉱己がやって来た。

「思ったより早かったわね」

「そうですか?私は大体予想通りですけど…」

「それで、どっちに認められたいの?」

「火花さん、貴女です」

「そう、それなら場所を変えましょうか」

「なら、近くに良い場所がありますよ」

と、鉱己に言われて移動した先は、小さい公園だった。

 「ここなら、迷惑がかからないと思います」

「そうね、ここにしましょうか。いつでもどうぞ」

 鉱己は全力で挑んで来た、が。火花はそれを余裕を持って躱す。照のように攻撃を受け流したりといった高等テクニックはできないが、躱すくらいなら火花も出来るのだ。

「貴方の攻撃、なかなかよかったわ。けど、なぜ能力を使わないの?」

「能力?何を言っているんですか?」

「え?貴方は“超人”に進化したんじゃないの⁈」

「超人⁈進化⁈何を言っているんですか?」

「だって貴方は自分の過去を乗り越えたからここにいるんでしょ?」

「はい」

「こんなことは初めてのパターンだわ。もしかしたら伝わっていなかっただけで能力を持たない場合もあるのかもしれないわね…」

 「それで、僕は合格なんですか?」

「ええ、合格よ」

「良かった、では“あの人”について教えてください。彩羅さん」

「やっぱり駄目です、ご本人から聞いた方が貴方のタメになるでしょうから」

 「因みにお二人はいつまでここに?」

「後、2日かしらね」

「そうですか…なら2日間だけで構いません!僕を鍛えてもらえませんか?」

「本当に私で良いの?」

「貴女が良いんです❗️」

「そう。けど、先に言っておくわ。私の修行は地味で厳しいわよ。それでも良いの?」

「はい!」

「そういうことなら引き受けるわ。けれど

修行に入る前に先に言っておくことがあるわ」

「なんでしょう?」

「私たちがいなくなってからやってもらうことがあるの」

「なんでしょうか?」

「貴方と同じように最も辛い過去を乗り越えられる人若しくはその可能性のある人に出会った場合仲間に引き入れて欲しい」

「なるほど、分かりました!それで貴女に弟子入りすることが出来るなら安いものです!」

 「そう、なら貴方の弟子入りを認めるわ」

「有難うございます!」

「でも修行は明日から、良いわね?」

「それで構いません!」

「なら、決まりね。貴方も今日は家に帰りなさい、疲れたでしょう?」

「それではお言葉に甘えさせて頂きます…」

宿に戻った2人は過去を乗り越えた鉱己に能力が発現しなかったのかについて話し合っていた。

 「何故能力が発現しなかったと思う?私は肉体が能力が発現出来る状態にないと思っているのだけど…」

「私は、まだ精神的に未熟過ぎるのではないかと思います」

「照の様な身体強化系であれば身体が耐えられないと判断しているのではと思っている」

「そうですかね…私は万能型ではないかと思います。例えば岩石の操作や作り出す能力であれば精神的に未熟だからこそ、発現していないのではと…」





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