第39節 2人の仲間集め (設立編5)
2ヶ月後。
夏休みに入り、2人は仲間集めを開始した。
先ずは、北海道から始めた。
中央区の時計台を見てくるという口実で2人は了承を得てやって来た。
そこには昭和なのか?と思うようなカツアゲに逢っている中学生の内気そうな男子がいた。
2人はひとまず少し様子を見ることにした。
相手の不良グループは楽しそうだが、男子はかなり引き攣った顔をしている。
見た所日常的にカツアゲに合っているようだ、2人は取り敢えず助けることにした。そのままではあまりにも不憫でならなかったからだ。
「カツアゲなんて、カッコ悪いとは思わないのかしら」
「俺たちは金がねぇーんだよ!」
「だから?」
「だから、こいつから金を借りようとしたんだよ」
「カツアゲしているようにしか見えなかったけど⁈」
「それにこいつの親は大手旅行会社の社長だからな」
「だからカツアゲしたってこと?尚更カッコ悪いわね」
「なんだと⁈そもそもアンタに関係ねぇだろ‼︎」
「確かに関係はないわ。だけど、カツアゲなんかをするあんた達に未来(さき)はないわ」
「ほぉ?じゃあそんなことを言うくらいだからアンタは俺らより強いんだよな⁈」
「まぁ、確かに少なくともあんた達よりは強いわね」
「見せてもらおうじゃねぇか!その“実力”ってやつをヨォー!」
と言って不良たちはカッターを持ち火花に襲いかかったが、凍士程ではなかった上に不良たちはカッターを装備していることで負けないとたかを括っていたのだろう守りがお粗末だった為、直ぐに決着が着いた。
「それで、貴方は?何故こんな所でカツアゲになんて逢っていたの?」
「それは色々ありますが、恐らくは僕が正義感からあの不良たちに『いじめなんてやめた方がいいよ』と言ったことが1番の原因ではないかと。」
彩羅は男子に一つ質問をした。
「つまり、貴方の心を折ろうと試行錯誤していたうちの一つといつことですか?」
「はい」
「貴方は今の現状を変えたい?」
「はい!出来ることなら!」
「貴方に“覚悟”はある⁈」
「“覚悟”は分かりませんが、“決意”はあります!」
「“決意”?それじゃあ足りないわ。」
「貴方の電話番号と名前を教えてください。」
「何故、教える必要があるんですか?」
「少し前に女性が植物のように動かなくなったっていうニュース知っているでしょう?」
「ええ、大々的にやっていましたからね」
「その動かなくさせたやつが組織を作る若しくは既に組織の一員である可能性が高いの、だから『仲間を集めて対抗する組織を作るように』と言われているの」
「なるほど、事情は理解しました。
それで、僕はどうすれば?」
「先ず、貴方は努力したことはある?」
「いえ」
「カツアゲに抗おうとしたことは?」
「ないです」
「それが当たり前よね、けど私を助けたくれた人はボロボロになりながらも助けてくれたこの意味がわかる⁈」
「因みに、貴女をいじめていた人数は?」
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