第38節 行動開始 (設立編4)
「俺はあの状態を維持するのにかなり精心をすり減らしたってのに…」
「そう気を落とす必要はないよ」
「何故だ?」
「何故って、僕は君の理想の姿と言った筈だろう。つまり、“強さ”も君の理想ということだよ」
「何が言いたいんだ?」
「君は僕と試合をしたことで理想の強さとの“差”を理解した。つまり、負けはしたけど、ボロボロになっていないということはそれだけ近づいているって事さ。」
「お前はどれくらいの実力を出していたんだ?」
「そうだな…大体、全力の6割ってところかな。」
「そうか、励みになる。因みに、俺の肉体は完成していると思うか?」
「僕は思わない。けど、完成には近いと思う。」
「どれくらいだ?」
「そうだね…僕の見立てだと、今のトレーニングで、あと3年ってところかな。」
「分かった。感謝する。」
そして、俺は目を覚ました。
だが、周りはまだ誰も起きていない。
俺は日課の精神トレーニング始めた。
今日からは悪意の感知の精度を上げて、常時感知出来るようになる為にも病院にいる間は基本、精神トレーニングをするようになった。
・
少し時間を遡り…病院から出た3人は。
「先ずは、分担を決めましょう!」
「そうね」
彩羅も頷いている。
「僕はまだ小学生なのであまり遠出ができません。なので、首都圏で仲間集めをしたいと思っています。」
「じゃあ、私たちは日本全国を回ることにするわ。親からのお小遣いも使い道がなかったし、ちょうど良いわ。」
「んじゃあ、夏休みからで良いですか?」
「ええ、それで良いわ。」
「わたしも…です」
「なら決まりですね、いつから始めます?」
「そうね、本格的に始めるのは夏休みからにしましょう。」
「「わかりました」」
「近場で見かけた際は、照を基準に行動しましょう」
「賛成です❕」
彩羅はよくわからなかった。
「ご、ごめんなさい。照さんを基準にってどう言うことですか?」
「ああ、そうね。貴方は知らなかったわね。私も凍士くんも照にいじめられていたところを助けられたのよ。」
「僕は、師匠の強さに魅せられて強引に弟子入りしました!」
「照さん、迷惑だったと思いますよ」
「まあ、最初は嫌がられましたけどね」
「やっぱり…」
「それで、色々あって強引に弟子入りしました」
と、いった話をして乗り換えをしながら最寄りの駅まで行った。
そして3人はそれぞれの帰路に着いた。
凍士・火花の2人は照に言われた修行を翌日から開始した。
因みに彩羅は、元の親の所に戻ることができた。
彩羅の親は死亡のニュースが流れてこなかったことでずっと娘を探していたのだ。正に“埋もれ木に花が咲く”というやつだろう。
彩羅は10年間、女に支配された上、知らずのうちに人を殺していたのだ。
そんな地獄から家族の元へ帰ることが出来たのだから。
さらに、彩羅は支配されていたことや自我がなかったことが認められて解放されていた。
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