第2章第35節 要請 (設立編1)

俺は意識が回復してから一ヶ月後、凍士・火花先輩・彩羅さんの3人を病室まで来るように電話で伝えた。

 俺が何故彩羅さんの連絡先を知っているのかって?それは一ヶ月前、お互いの経緯を説明した後に彩羅さんから「御礼の内容が決まったら連絡して下さいね。」と言われ連絡先の交換をしたからだ。

 まあ、そういう経緯もあって3人に病院に来るように伝えた。

 2時間後、3人が俺の病室に入って来た。

 「貴方から私たちを呼び出すなんて初めてよね。」

「火花さん、照さんが呼び出すのは今回が初なんですか?」

「ええ、そうよ。そして私たちから連絡することもなかったわ。」

「そうでしたか…。ということはかなり重要な要件ということですよね。」

「それを照が説明してくれると思うわ。」

 「分かりました」

「それで師匠、僕たち3人にどんな任務を?」

 「任務?まぁ、確かにお前たちからすれば任務になるのか。一言で言うなら、組織を作って欲しい。」

「どのような?」

「あの男と女はこれから組織を作るもしくは既に作っていると思う。だからそれに対抗する為の、そしてこの国を明るく照らし、秩序を維持するための組織を作って欲しい。」

「その組織に必要な資格はあるのかしら。」

「地獄をから這い上がる事のできる“覚悟”を持っていること。そして3人と同じような能力を持っている場合、俺に教えてくれ。」

「分かったわ」

「分かりました」

「彩羅さん、貴方は先輩と行動を共にしてください。そして先輩のサポートをして下さい。」

「それは貴方への恩返しになりますか?」

「勿論、それでも気が済まないというなら個人的に恩返しすればいいと思います。それに、先輩がそうでしたから。」

先輩は苦笑いを浮かべている。

 「分かりました、火花さんに同行してサポートします❗️」

「しかし、師匠。僕たちと同じような能力を持った人間ということは“超人”で条件を満たした人間がいれば連れてこいということですよね?」

「そうだ、それを組織づくりと並行して3人には行ってもらいたい。やり方は3人で決めてくれ。その組織のルールも俺が言ったこと意外なら3人で話し合って決めてくれ。」

「分かりました❗️」

「分かったわ」

「分かりました」

「因みに師匠、組織の名前は決めていますか?」

 「ああ、決めている取り敢えずだがな。

ずばり、『Maintain Order』だ。」

 彩羅さんと先輩は理解したようだ。

「どういう意味ですか⁈」

俺が答える前に、先輩が凍士の問いに答えた。

「メインテイン・オーダー、英語で“秩序”と“維持”という意味を持つ単語よ。」

「もう少し詳しく教えてください」

「先ず、『Maintain』というのは“秩序”

という意味を持つ。そして二つ目に『Order』は“維持”という意味を持っている、分かった?」

「分かりました、ありがとうございます。ということは…』


 



 

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