第27節 吸収と挑戦 (少年期27)

 少女は、昔ある男の子に助けられた。

少女はその男の子にお礼をしたいと思っていたが、その男の子は「自分の実力を試したいだけ」だとさせて貰えなかった。

だが、もう一度会うことがあれば今度は何があってもお礼をすると決意した。

 この後、少女は当時はまだ、高校生くらいの女の人にある場所に連れて行かれた。そこは何かの研究施設の跡のようだった。 そこで少女は自分と同じくらいの男の子から何か指示を受けた女の人に何かを与えられたそれを入れられた瞬間少女の体全体に激痛が走った。

「ウワァーーーーーーッ‼︎‼︎‼︎」と少女は痛みに耐えられず声を上げた。

 少女の体は成長したが、それに従ってどんどんと自我が薄くなった。

 そして中学生なる頃にはほぼ、自我のない状態になっていた。

 少女は都内の学校に通っていたが話すことが出来ない為、学校内では1人で授業を受けていた。

 学校のない日は女性に連れられて外を散策していた。

 そして、女性の連れてきた人の負の感情吸収して一定のエネルギーが少女の中で溜まるとそのエネルギーを少年に与えていた。女性が言うにはそうすることで少年は強くなり進化することができるらしい。そうして現在、少年にはかなりのエネルギーが溜まっているようだがまだ進化できていない。

         ・

俺は新たな技を地下室で試そうとしていた。

 名付けて…混沌融合と書いて〈カオス・アップ〉だ。

 今回は喜怒哀楽の"喜"と"哀”の2つを掛け合わせる。さらに、ここに集中力上昇による視力上昇を上乗せする。

 よって、負担は今までの比ではないだろう。

 相当の体の負担と相当の精神の負担があるだろう最悪全身複雑骨折の上、廃人のようになってしまうかもしれない。

 そして同時にその持続時間がどの程度なのかを同時に調べる。

  俺の弟子となった、先輩と少し危険な雰囲気を感じるようになった凍士は万一に備えて準備してくれている。

 「じゃあ2人共宜しく。」

頷く2人。2人には最悪の時は何としてでも俺を止めるという覚悟の顔をしていた。

 「じゃあ、始めるよ。」

俺は集中力を高め始めた。

 まずは眼が金色になり集中力が最大になった。

 この後、2つの感情を同時に体に込めて身体能力の底上げを行う。

 この地下室全体が細かく震えている。

照の体から赤紫の5センチ程度の鎧が現れ始めた。今度は動物の形花入っていないシンプルな鎧だ。代わりに腕や太腿、首周り等所々鋭利な棘のような物がついている。

 鎧が照の体から出てくる度震えは広がり、照の体全体が鎧に包まれた時には地下室を含めたこの建物全体が激しく震えていた。

 それが三分間続き、その間たらは動き続けた。

 3分後、照は顔を歪ませながら鎧の状態を解除した。

 「肉体にダメージはなさそうですね。」

「そう見たいね。けど精神的な負担は相当みたいね。」

照の体にダメージは見られなかったが、身体全体から汗が大量に吹き出している。

 恐らく、全力でコントロールした結果なのだろう。それを照の身体を見る事で2人は理解した。


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