第26節 解決、そして… (少年期26)
今度こそ動かなかなった百合を少しでも痛みが出ないよう6人で支え慎重に警察署まで行き、自主したそうだ。
「大丈夫ですか、先輩⁈」
「当たり前でしょう、私も貴方の下で修行して強くなってるんだから。」
「そうですか、ならよかったです。」
フードを被った人物が小さく呟く。
「間違いなくこの間より強くなっている。
くそ…面倒臭い」
当然ながら、百合たち20人は全員女子少年院に入ることになった。
自業自得、因果応報ではあるが警察署に向かう時百合の仲間全員が満足そうな顔をしていた。
恐らく、百合の顔を見て自分たちも満たされたのだろう。
その後、百合から少女少年院から手紙が届いていた。
手紙の内容は…(私たちは今回のことで復讐が如何につまらないものであるかを理解した。復讐に成功したとしてもやられた人が恨むという負のスパイラルになることを理解した。だからわたしたちはこれからは真っ当に生きることにしたわ。
この女子少年院にいる間は時間があるからこれまでの自分たちの行ないを省みることにするわ。)ということが書かれていた。
2週間後。
《都内のあちこちで無差別殺人が頻発しています。》
はあ、やっと百合たちと和解したのに。
今度は無差別殺人か…全然穏やかにならないな。
《無差別殺人犯が近くにいるかもしれないので警戒を怠らないようお願いします。》
3週間後。
《埼玉県で無差別大量殺人が起こったいます。》
今度は埼玉かまるで歴史を遡っているようだ。
歴史は繰り返すとはこういうことだな。
俺は新しい目標を決めた。
それは、この行政の代わりに治安を維持し、"日常"を守ること。
俺は学校中でも精神トレーニングを行うようになった。
肉体に限界はあるが、精神に限界はない
からだ。
俺は学校から家へ帰る途中自分と同じくらいの歳の女の子を見た。
その女の子は何かに蝕まれ苦しんでいるようだ。
その隣には20代前半くらいの女性が立っている。その女性は女の子を救おうとしているようにも見える。
女性は携帯を取り出すと誰かに報告しているようだ。女の子の体調の報告だろうか、振り向いてはいないが見ていることがバレてしまった俺はこれ以上目立たないために家に帰った。
その夜、夢の中にて。
「お前はあの女の人が何者かわかるか?」
「分からん、俺が感じ取ることができるのはお前だけだ。最近は関係の深いあいつらの思いも深くはないが感じ取ることができるようになった。」
「つまり、分からんということか?」
「そうだ。しかし、推測で良いなら多少話せるぞ。」
「推測で構わない、話してくれ。」
「分かった、話そう。
恐らくあの女は組織の幹部だと思う。
そしてその組織があの女の子を使って何かを成し遂げようとしている。と、俺は思う。」
「なるほど、しかし全く情報のない現段階でよくそんなに話せるな。」
「言っただろ、推測だって。
それに俺の妄想も含まれているからな。」
「納得だ。」
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