第23節 確認試合 (少年期23)

「勝つ必要はありません。先輩、貴女自身の能力を理解する為に必要なんです。」

「分かったわ。けど、後日にさせてもらえないかしら?」

 先輩の体からは滝のように汗が吹き出していた。先輩の服は汗でビショビショの上、運動着の下から汗で下着が透けていた。

 確かに、このままでは試合をするのは厳しいだろう。

 「わかりました、では3日後の日曜日にしましょう。」

「分かったわ、それでOKよ。」

帰ってからニュースにて。

《一ヶ月ほど前から男子中学生の襲撃が止まっていますが、警戒を怠らないようお願いします。》

まあ、一時的に止まっているだけだろうからな。

  3日後、地下室。

「凍士くん、宜しく。」

「よろしくお願いします」

「2人ともこれから説明をしてします、よく聞いていて下さい。」

 頷く2人。

「能力の使用はありですが、武器を作ることは禁止です。次に能力による相手の必要以上の妨害をしないこと。そして最後に今回は制限時間を設けさせてもらいます。

 時間は30分、時間いないに決着がつかなかった場合は優勢だった方を勝者とします。後は前回と同じです。」

2人共理解しているようだし、不満も無さそうだ。

「では2人とも武舞台に上がって。」

2人は武舞台に上がる。

「今日は宜しく、凍士くん。」

「こちらこそ、お願いします。」

「では、2人共準備は良いですね⁈」

「はいっ!」

「できているわ」

「ピーッ」

まずは凍士が仕掛けた。

 3センチの氷の球を作り、先輩に飛ばした。

 しかし、先輩はそれを避けた。

今度は先輩が仕掛けた、凍士は氷の薄い壁を地震野前10センチ程のところ二次使っている。

 俺が見えているのは視力上昇を使うことで武舞台の氷の壁が横から見えているためどうにか見えているという感じだ。

 だが、いつの間にかこの地下室が熱くなっていた。

 先輩からは動くことによる熱ではなく、

熱そのものが発せられているようだ。

 先輩が触れた瞬間氷の壁は溶け、水になった。

 そのまま、凍士の腹にパンチを浴びせた。

 しかし、大きなダメージにはならなかってようだ。

 その後も互いに能力を応用した攻撃や防御、移動をしていたが互いに決定打が無いまま20分が経過した。

 互いに余り余力はないようだ。

「次の攻撃が最後です」

 「奇遇ね、私もそうよ」

互いに次の攻撃で決めるつまりのようだ。

 凍士は黒鉄さんとの試合の時よりも分厚い氷を拳に纏わせている。

 先輩は熱エネルギーをうちに溜めインパクトの瞬間に熱エネルギーを外に出し、その威力で倒そうとしているようだ。

 勝ったのは僅差で凍士だった。

「勝者、凍士!」

凍士は信じられないというようなキョトンとした顔をしている。

「勝ち…?本当に僕の勝ちなんですか?」

 「そうだと言っているだろう」

「や、やったっ!かったーーっ‼︎‼︎」

余程嬉しかったのだろう、どれ程厳しい試合だったのかが伝わってきた。







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