第22節 駆け込み家、そして“進化” (少年期22)
俺は新たな段階に進む為の準備を始めた。
その一環として肉体トレーニングの時間を長くした。
肉体トレーニングの時間を長くしてから1ヶ月が経過したある日。
俺はこの日も3キロの持久走をしていた。
とある公園で座り込んでいる俺より少し小さい少年を見つけた。
何やら泣いているようだ。
俺は少年に話しかけた。
「君、どうしたんだ?」
少年は答える。
「ぼくには安心できる場所がないんです。」
「家も?」
少年は頷く。
「俺で良いなら話を聞く聞こう。」
「ありがとう。」
少年の話を要約すると、家では家族から虐待を受けていて安心出来ない。学校ではいじめられている上に家でのことを教師に話すと親に話が行くから信用出来ない。そして、一縷の望みをかけ児童相談所を頼ったが、親が認めず児童相談所の施設で生活していたが親が改心したふりをして取り返そうと施設にやってきて追いかけたが、無理矢理つれ帰られたので行政も信用できない。だから自分には安心できる場所がないのだと言っていた。
「なるほどな、それなら俺について来い」
俺は火花先輩の家へ少年を連れていった。
「ピンポーン」
「すみません、火花先輩はいますか?」
「少々お待ちください」
暫くして、先輩が出てきた。
「どうしたの?」
「実はこの子を引き取っていただけないかと思いまして…」
俺は先輩に少年の事情を説明した。
「なるほど、分かったわ。そういう事情なら引き受けるわ。」
「ありがとうございます!」
「このお姉さんの家が君を引き取ってくれるそうだよ。」
それを聞いて安心したのか、気絶してしまった。
「おっと…」
俺は少年を先輩に預け家に帰った。
そして翌日、俺は先輩に覚悟があることは試験で分かっていたが大きなリスクがあることを知っている為先輩に凍士等の同じく2キロの持久走をさせていた。
今日その自身がついたようなのでこれからこの地下室で先輩日とって最も辛い過去と向き合って貰うのだ。
「先輩、準備は?」
「できているわ。」
「分かりました、始めてください。」
先輩は集中力を高め始めた。
そして、集中力から最大になったのを俺と凍士は感じた。
先輩のいう“超人”になれるかどうかはこれからだ。
先輩の身体がブルブルと細かく震え始めた。
どうやら先輩の中で過去と向き合い始めたようだ。
先輩の体が大きく震え出した、やはり簡単ではないようだ。自分の最も辛い過去と向き合うのだから簡単なはずが無い。
俺たちの時間では既に30分が経過している。
先輩の中ではかなりの時間が経過していることだろう。
さらに20分後、どうやら成功したようだ。
「先輩どうですか?変わった感じはしますか?」
「あまり変わっているとは思わないわね。」
「そうですよね、俺もそうだったので。」
「僕もそうでした。」
「先輩、凍士と試合をして確かめてはどうですか?」
「前回、凍士くんが能力を使わないで勝ちきれなかったのよ。とても勝てるとは思えないわ。」
「勝つ必要はありません。先輩、貴女自身の能力を理解するために必要なことなんです。」
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