第21節 異変と不審事件 (少年期21)

私が復讐を決意したのにはいくつか理由があるが、最も大きいのは自分のプライドをズタズタにされたことだ。

 私は与えられた力であの男に復讐することにしたがあの男が何処に住んでいるのかどこに通っているのかさえ分かっていない。分かっているのは私と同じ中学生であるということだけ。

 しかし、これだけでは情報がないのと同じだ。だからまずは情報収集から始めることにした。

 あの男に似た雰囲気の男子生徒を見つけ、いきなり見つけたと思いその男子に襲いかかったこれには与えられたチカラを試す意味もあった。

 すぐに男子生徒を倒した。

しかし、普通の生徒だったためこの力が強いのか、弱いのかさえわからなかった。

 しかし、この力を使って男子生徒を倒したあと自分が何かに蝕まれるような感じがした。

 だがこの時は気のせいだろうと気にも止めなかった。

 しかし、その後情報収集等並行して男子中学生を襲い続けた。襲うのは力を体に馴染ませる為にしていた。

 だが力を使う度に自分が何かに蝕まれ自分が自分でなくなる感覚が気のせいではないと気づいた。

 情報収集することでであの男はある建物に頻繁に出入りしていることが分かった.

 そして、一部ではヒーローと呼ばれていたり化け物とも呼ばれているようだ。

 しかし、基本的には我関せずを貫いているらしい。

 普通に再戦を申し込むだけでは無視されるだろう。

 そこで、あの男の友人を襲いその場にあの男を呼び出すことにした。

 与えられた力の4割程度は馴染んだようだ。

 これからはトレーニングを重ねることにしようと思う。

この時点で、1ヶ月と2週間が経過していた。

         ・

俺はいつものルーティンとなっている精神トレーニングと3キロの持久走、筋トレをした後テレビをつけ夕方のニュースを観ていた。

 《東京都町田市で男子中学生が何者かに襲われる事件が頻発しています。》

 ここじゃねぇか。

《男子生徒が襲われるようになったのは、およそ1ヶ月前からだそうです。現在襲われた男子中学生は20人以上に上り、その襲われた男子生徒全員が撲殺されていたとのことです。》

 最近治安が悪いのはそういうことだったのか。

 《警察は見つけた際は慌てず、冷静を保って通報して欲しい、と呼びかけています。》

 この日の夜、夢の中にて。

「久しぶりだな。」

「久しぶりだな。もう1人の俺、それでなんのようだ?」

「前もう言ったと思うが俺はお前を見ている。そして、最近この辺りの治安が悪いらしいな。」

「そうだ。」

「お前は最初の時から見てかなり強くなった、フルパワー状態をすり足程度の反動で抑えられるようになったのだから。」

「確かに、最初は10秒フルパワーを維持するだけでかなりの出血と骨折をしていたからな。」

 「だからそろそろ次の段階に進むべきなんじゃないかと思ってな」

 「ああ、俺もそう思っていたところだ」

「じゃあ、より自分を理解しなければな」

「ああ、その通りだな」

そして俺は翌日からよりトレーニングに時間を割くようになった。

 

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