番外編2-2 凍士の4ヶ月2
師匠の視線の先を見ると僕と同じか、少し小さいくらいの女の子に男女合計17人にいたぶられていた。
ガキ大将に何か言われ、それに対して何か言い返しているようだ。
「師匠、関わらない方が…」と僕は師匠を止めようとしたが…
「丁度良い、俺の戦い方を見ていろ」と言って、師匠はいじめの現場に向かった。
勿論、僕もすぐに追いかけた。
すると師匠が、「今いるここから少し離れていろ!」と危険を知らせてくれた。
今思うと素直に従っていて良かったと思う、もし従わずにその場にいたなら間違いなくガキ大将たちに利用されてしまっただろうと容易に想像できるからだ。
何やら、ガキ大将と師匠は問答をしているようだ。
すると次の瞬間、ガキ大将が師匠に殴りかかったのだ。
しかし師匠はガキ大将のパンチを受け止めるでも、避けるでもなく、受け流したのだ。
ガキ大将は驚いているようだ、考えてみれば当然だ攻撃が当たったのに全く手応えがないのだから。
ガキ大将は一人では厳しいと思ったのか、今度はガキ大将を含めた17人全員で師匠に襲いかかったが、能力も一切使用せず純粋な身体能力のみで全員倒してしまったのだ。
確かに、師匠は「獣の化物」という不名誉ではあるだろうが一部ではそう呼ばれている。
しかし、それは能力を使って身体能力を強化した師匠がまるで獣のように見えるところからつけられたらしい。
ということは、今のままの僕の戦い方のままでは今の戦いは負けていたということだろう。
師匠は女の子を助けたが、「凍士行くぞ。」と言ってその場を離れた。
女の子は、師匠に何やらお礼をしたそうにしていた。
そして女の子を師匠が助けてから一ヶ月が経過し、2キロの持久走も毎日のルーティンになりつつあったが、まだ2キロを15分以内に走破するという目標は達成できていない。
「凍士、明日から持久走はここにいる時はしなくて良い。」
「何故ですか?」
「お前もそろそろ2キロの持久走にも慣れてきただろうと思ってな。」
「確かに、慣れてはきましてけどまだ目標も達成できていませんし。」
「確かに目標は達成できていないが、強くなっていることを示すためにも今日はお前の2キロの持久走のタイムを今一度計る。だから地上に行くぞ!」
そして僕たちは地上に上がり、前回タイムを計った時と同じ方法を取り、タイムを計った。
前回はペースを一定に全然保てていなかったが今回はかなりペースを一定に保つことができた。
「24分15秒、やはりタイムが早くなっているな。」
「本当に強くなっていたなんて」
「信じられなさそうだな、しかし事実だ。どうだ一人でするやる気は上がったか?」
「はい」
「そうか、これからはここにいる間は最初に言ったように筋トレだけを行う。」
この日の翌日から僕は地下室では筋トレ、帰ってからは精神トレーニングと2キロの持久走をするようになった。
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