番外編2-1 凍士の4ヶ月

僕は、二つ目の試練もなんとか突破して照さんの弟子になった。

 次の日。

「それでは師匠、早速お願いします!」

 「いや、実践はまだ駄目だ。」

「何故ですか?僕の実力を認めてくれたじゃないですか。」

「それとこれとは話が別だ。俺は弟子になるのは認めたが、実践で鍛えるとは一言も言っていない。」

「そんな…」

「当たり前だ。お前は自分と向き合い能力を引き出すことには成功した。しかし、お前の戦い方は能力に頼り過ぎている。それでは直ぐに躓くのが目に見えているからな。」

「そうですか。」

「だから、先ずは体作りからだ!」

 「分かりました。」

「ここにいる間は筋トレだ。そして休日は2キロの持久走だ、目標は二キロを15分以内で完走できるようになれ。」

「分かりました。」

「因みに最初は俺がお前のタイムを計る。」

「…えっ⁈」

「何か可笑しいか?」

「いえ、可笑しくはありませんけど…」

「可笑しくはないが、なんだ?」

 「一緒に走ってくださらないんですか?」

「一緒に走っては、お前のタイムを計れんだろう。」

 「そうですね…」

「心配するな。タイムを測った後は暫く一緒に走ってやる。」

 「本当ですか?」

「本当だ。俺はお前に嘘を吐いたか?」

「いえ、吐いていません。」

「だろ?そういうことだ。」

 「それで強くなれるんですか?」

「当たり前だ、俺はお前に才能があると思ったから弟子入りを認めたんだ。」

「ありがとうございますっ‼︎」

「それじゃあ今日は、この辺りを合計二キロ走ってそのタイムを計ろう。」

 こうして僕と師匠は地上に上がった。

「一応言っておくが、二キロでここに戻って来るようにしろよ。じゃないとちゃんとタイムを計れんからな。」

「分かりました。」

そうして僕は武舞台のある建物から見て右側にセットした。

 そして師匠はポロシャツの左胸部にあるポケットから笛を取り出した。

「よーい、…ピーッ」

師匠の吹いた笛の音を合図に走り出した。

 最初は、少し早いくらいのスピードで走ったのだが、少しずつスピードが落ち武舞台のあった建物が見えて来ると足がかなり重くなっていた。

 そして、なんとかゴールした。

「タイムは…、32分45秒。まあ、最初はそんなもんだろう。」

「ではこれからは一緒に走って下さるんですよね?」

「そうだ、何度も言わせるな。」

「いえ、走る前の幻聴だったのではと思って…」

「そんな訳ないだろうが…」

と、何を言っているんだこいつはといったかんじで師匠は呆れていた。

そして翌日から、僕と師匠は2キロを一緒に走ることと、筋トレで体作りを始めた。

 僕が師匠に言われて体作りを始めてから2週間が経過したある日。

 この日も師匠と一緒に二キロの持久走をしていた。

 すると突然師匠が足を止めたのだ。

師匠の視線の先を見ると公園で僕と同じか、少し小さいくらい女の子が同学年くらいの男女合計17人に痛ぶられていた。

 ガキ大将に何か言われ、それに対して何か言い返しているようだ。

 




 

 

 








 

 




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