第17節 実力査定と能力[スキル]4 (少年期17)
パリンッ
「い、今の音は?」
「僕の作ったものを貴方の拳が破壊した音です。」
「これはあまり分厚くはないが、氷か?氷の膜を張っていたのか!」
「本来の使い方とは違いますけどね。」
「なるほど、氷の膜を張ることで俺のパンチの威力を弱めたというわけか。」
「そういうことです。」
「なるほど、照が認めた理由(わけ)が分かった。」
「では、今度はこちらから仕掛けさせて頂きます。」
凍士は一度能力を解除してから、3センチ程度の氷の球を数球〜数十球作り、それらを後ろ以外の多方向から連続して黒鉄さんにぶつけた。
「くそ!威力はそれほど高くはないが、数が厄介だな。」
凍士は成長し、能力の同時使用ができる様になっていた。
「こ、今度はなんだ⁈」
凍士は自分の使う部分を瞬間的に凍らせて、氷の球にぶつからないよう、迂回しながら黒鉄さんとの距離を詰めた。
黒鉄さんとの距離が後30センチ程度に近づいたところで、黒鉄さんが気づいた。
この時既に氷の球は消えていた。
凍士は、拳に氷を薄く纏い、自分の今の最大の攻撃手段で決めようした。
黒鉄さんは凍士が攻撃を自分に当てる前に、攻撃を先に当てようとした。
しかし、凍士は滑っているので止まっている黒鉄さんは当てることに失敗した。
逆に凍士は氷を薄く纏った拳+滑ってきた速度によってより威力を高めた攻撃で黒鉄さんを倒した。
「参った、降参だ。」
「やった!勝った!勝ちましたよ!師匠‼︎」
「良かったな。」
「はい!」
「勝者、凍士!」
2人とも全力を出し切れたのだろう、とても満足そうだ。
「先輩、これで凍士の実力を認めていただけますね?」
「勿論よ、流石に貴方が認めるだけのことはあるわね。」
「凍士、これでお前の実力は先輩にも認められたぞ!」
「はい!」
「それでは、上に上がって答え合わせと行きましょうか。」
俺たち5人は再び2階に上がった。
そして、凍士と黒鉄さんの2人は試合をした服から着替えてから俺たち3人のいるリビングに入ってきた。
「さて、答え合わせをしましょうか。」
「そうね。」
声に出してはいないが、火駱くんは興味津々の様子だ。
「凍士、お前が自分で説明しろ。」
「分かりました!」
「その前にお前、いつあんな技身につけた?」
「二週間くらい前ですかね。」
「何故、教えなかった?」
「実践で見せて驚かせようと思って。」
「そうか、それじゃあ説明してくれ。」
「分かりました。」
凍士は能力の説明から始めた。
「僕の能力[スキル]は“凍結”です。内容は、空気中の水分を固め、氷を作る能力です。」
「なるほど、では試合の中で使った技は?」
「一言で言うと、今説明した能力の応用です。」
「どういう事だ?」
「先ず、氷の球は水分を球の形に固めて貴方に向けて飛ばしたということです。」
先輩たち3人は真剣に凍士の説明を聞いている。
「次に、師匠も気にしていた移動方法ですが。あれは、武舞台を瞬間的に固めてそれを連続で行っていたのです。」
俺は凍士の説明を聞き納得した、そして先輩たちも納得したようだ。
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