第15節 実力査定と能力[スキル]2 (少年期15)
く、くそ!ただ立っているだけなのに。
な、なんなんだ照から感じるこの威圧感
「来ないんですか、ならこちらから」
早い!確実に俺よりも強い!
ズドドドドドドド…俺は黒鉄さんの腹筋に連続パンチを喰らわせた。
「う、うおっ!とっっ‼︎」
黒鉄さんは俺の連続パンチにふらつきながらも耐え切った。
「黒鉄さん、これで終わりです。」
俺は、連続パンチと無意識に出していた威圧で黒鉄さんを武舞台の際まで追い詰めパンチで場外に出した。
試合時間は、3分。
なぜ分かるのかって?
それは、火駱君が腕時計をストップウォッチのモードに切り替えて測ってくれたからだ。
「試合終了!勝者、照‼︎」
「は、測っていたんですか。火駱坊ちゃま…」
「うん、姉さんに言われて測ってたんだ。」
「お嬢様、そんな恥の上塗りの様なことをしないでください!」
「仕方ないじゃない、照君が勝つのは分かってたから折角だしどれくらいで決着が着くのか測ろうと思って。」
「それで3分ですか。」
「うん、そうだね。」
「照の本気を全く引き出すことが出来ずに負け、しかもそれが3分とは…」
「これで凍士君と試合するのもやる気になったでしょ?」
「やる気どころか、戦意喪失ですよ。」
「でもこれで、照くんが認める意味が貴方にも分かったでしょう?」
「はい、よく分かりました。」
「では一旦、昼食と休憩にしましょう。凍士と黒鉄さんの試合は一時間後ということにしましょう。」
「了解ですっ!」
「承知した。」
ということで一時間の昼休憩を取る為に2階に上がった。
昼食を摂りながら、俺たちは会話をする。
「酷いですよ師匠!3分で決着をつけちゃうなんて作戦を立てることすら出来ないじゃないですか!」と昼食を食べながら凍士は俺に不満を言ってきた。
「お前、試合だからそういうことを言えるって分かってるか?」
「…」
「だろうな。」
「俺もお前に言いたいことがある。」
黒鉄さんが俺たちに話しかけてきた。
「なんでしょう?」
「お前は、いや、お前たちは“超人”なのか?」
「えっと…どういう意味ですか?」
俺は黒鉄さんに問い返した。
「それについては私が答えるわ。」と、火花先輩が言った。
それに対し、俺は頷いた。
凍士は基本俺に準ずるらしい。
そして火花先輩が説明を始めた。
「“超人”というのはごくごく稀に人間には真似することができない事象を起こすことができたり、人間では到底どうしようもない状況を軽々と超えることができてしまう人間が“超人”と言われるわ。」
「なるほど、そういうことなら俺はともかく凍士は確実にそれに当てはまりますね。」
「ではやはり…」
「俺は身体強化という感じなので当てはまらないと思いますが?」
「いや、貴方も当てはまるわ。」
「何故ですか?」
「貴方、私を助けてくれた時のこと覚えてる?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます