第11節 初めての友人と御礼 (少年期11)

「今日は、本当にありがとう。」

「いいえ、当たり前のことをしただけですから。」

「それにしても本当に情けないわ…。」

 「そうですか?」

「ええ、情けないわ。これ以上ないくらいにね。」

「そんなにですか?」

 「当然でしょう?自分は一切抵抗できなかったのに、年下の新入生の男の子に助けられたのよ。情けなくて、恥ずかしいわ。」

「まぁ、取り敢えず火花先輩の家に向かいましょう。」

「そ、そうね。ずっとここにいるわけにも行かないし…。」

こうして俺と火花先輩は近くに転がっている不良少女たちを意に介さず火花先輩の家に向かった。

 「そういえば、あなたに何か御礼がしたいのだけれど、何か要望はないかしら。」

「何でも良いんですか?」

「私にできる範囲ならね」

 「なら…、俺の友達になってくれませんか?」

「そんなことで良いの?」

 「はい!気兼ねなく話せる友達が欲しかったんです!」

「なら良いけど、私としては満足できないわ。」

「俺は、もう満足なんですけど…」

 「貴方の意思は関係ないわ!私が満足できないの!だから、個人的もう一度御礼を伝える機会を頂戴!」

俺は、これまでやり取りで、火花先輩は何をするにも自分が満足するまで徹底して打ち込むというかことが分かった。

 なので、俺は半ば諦めて承認するのだった。

「先輩次空いてるのはいつですか?」

 「そうね、二週間後の水曜日の放課後かしら。何か用でもあるの?」

「はい、会ってもらいたい奴がいるんですよ。」

「なるほど、その為に時間を開けておいて欲しい、ということね。」

「はい。」

 「分かったわ、じゃあ2週間後の水曜日の放課後は開けておいておくわ。」

「ありがとうございます!」

などという会話をしているうちに、2人は火花の家に到着した。

 後日、登校中に火花先輩にあった。

「先輩。まだ、指定の日ではないはずですが。」

 「以前言ってた御礼をしに来たの。」

「御礼ですか…そんなもの必要ありませんよ。」

「以前も言ったけど、それじゃ満足できないの‼︎」

「分かりました。それで、その御礼と言うのは?」

「貴方の新しい制服よ。」

確かに20人を倒した日は制服だったけど、でもまだ使えるし…

「顔に出てるわよ。まだ使えるから要らないと言いたそうね。」

「…!」

 「ただの制服じゃないのよ、なんと!

制服の内側に重りの入った特別製なの!」

「はぁ、それで重さはどの程度なんですか。」

 「上下合計で2キロよ!!」

「えっ、そんなにですか‼︎‼︎」

 「それで、受け取ってくれるのよね?(圧)」

これは、拒否は出来なさそうだな。

仕方ない受け取ることにしよう。

 「それで、この制服にはどのような効果があるんですか?」

「貴方の肉体改造のサポートよ。」

「逆になってしまいましたが、何故これを俺に?」

「あの時使った技、かなりの負担がかかるのでしょう?」

「はい、でもトレーニングはしていますよ。」

「だからこそよ!短い時間で片付いたから良かったものの、あの時間での使用でさえ、あの負担なのだからそれに耐える体を作って欲しいからあげるのよ。」

「そういうことですか…」








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