第7節 噂と入学式 (少年期7)
凍士を弟子にしてから4ヶ月が経過した。
今年で13歳になる。
今日は中学校の入学式だ。
なので、俺は新品の制服を着て学校へ向かっているところだ。
(友人からの話だと普通は入学式には両親などの家族と一緒に行くのが普通らしい。)
俺の親は、後から行くと言っていたので先に向かっていると言う訳だ。
(因みに弟がいるがそれはまた、別の機会に話すとしよう。)
なんだか、周囲がざわついている。
俺の姿を見るなり驚いているようだが、周りを見ても他に注目を浴びそうな奴はいなかった。
だが、聞き耳を立ているとどうやらこれから入学しようとしているところは悪い噂が流れているらしい。
「学校自体は良いところなんだけど、放課後の治安が悪く、いわゆる不良というのが生徒の下校の妨害を行っているらしい」
とか、「タチの悪い不良の場合バイク等の自分たちの乗っている物をワザと当ててきて修理費と言って金を要求してきたり、それがうまくいかないと憂さ晴らしといった感じにその生徒を制服で隠れるところは重点的に暴行を加え、顔など見える部分は分からない程度に攻撃して自分たちが満足するまで繰り返すらしい」という胸糞悪い内容のものだった。
最もその不良というのは頻繁に現れる訳ではないらしく、普段はそれぞれ別の高校に通っているそうだ。
おそらく、一定のストレスが溜まると自分たちより弱く、小学生などの見た目から子どもの小さい子には手を出さず、弱い者いじめになりにくい体格もいるだろうということで中学生に狙いを集中して行っているようだ。
そして、もう一つの噂もあった。
その内容は、「人間離れした動きで弱い者を助け、強い者を倒すらしい。」といういわゆるヒーローがいるらしいというものだった。
どちらも自分には関係のないことだなと思い、聞き流していた。
と、そうこうしているうちに学校に着いた。
学校に着くと、上履きを履き廊下に張り出されているクラス分けの張り紙を見て自分のクラスへ向かい、そこでは担任となる教師から入学式流れとそこでの行いについての説明を受けた。(教師は上原と名乗った。)
入学式は、滞りなく進んだ。
しかし、終盤ある1人の在校生が呼んだらしい十数人の不良が入学式の会場に侵入してきたのだ。どうやら、いじめられた生徒の家族に不良と繋がりのある者がいたらしく不良を使って仕返ししようとしたらしい。不良はところ構わず、「〇〇をいじめていた奴等を連れて来い!」とだけ言い放ち、不良たちはさっていった。
途中アクシデントはあったが、入学式自体は何事もなく終了した。
(聞いた話だが、いじめっ子たちは自ら名乗り出なかったので、いじめられていた子に聞き、いじめられていた生徒と同様の方法でやられたらしい。いじめっ子たちは応戦したが当然叶わず、ボコボコにされたらしい。)
因果応報・自業自得とはいえ少しだけいじめっ子たちに同情してしまった。
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