第6節 師弟誕生 (少年期6)

ここまでは意外と良い勝負をしていた。

 凍士は自分の能力のオン・オフの切り替えと能力の応用によって照の攻撃に耐え、食らいついていたのだ。

 当然ながら、凍士は攻撃もしていたがそれこそ本来の使い方をして攻撃していたのだ。しかし、当たりはするもののダメージは与えられていなかったのだ序盤の固めた小さい氷を薄く拳に纏い攻撃力を高めるという方法がダメージを照に与えることができる攻撃手段だったのだ。

 凍士は負けを確信していたが、弟子になる為の執念によって照に対して向かっていたのだ。


(俺は、喜怒哀楽の感情を集中することで一つの身体能力に特化した形態になることができる。今回使うのは、あくまでも一割本当に少しである。強いて名前を付けるならば、速度上昇モード:アクセルといったところだろうか。)


  凍士は、再び感動した。 

なぜなら、先程までの状態でさえなんとか必死に食らいついたいたと言うのにさらに速度が上がったのだから。この人に弟子入りを志願して良かったと心から思った。


 速度の上げた俺は凍士を軽く押し、そっと武舞台から落とした。

 携帯の時間を見ると18時を回っていた。つまり、試合をしていた時間が1時間にも達していたということだ。

 


 「やはり、照さんには敵いませんね。

僕に貴方の弟子になる資格はなかったようです。」

と言い、帰ろうとする凍士。


 「いや、合格だ。弟子になることを認める。」


信じられないという困惑と歓喜が入り混じったなんとも言えない表情をする凍士。


 (仕方ない…もう一度言うとするか。)

「合格だ。お前は弟子になる資格がある。

後は、お前次第だ。どうする?」


 「も、勿論弟子入りさせて頂きます‼︎し、しかし何故認めてくださってのですか?僕は貴方に敗けたのに。」


「言ったはずだ。俺の信条は有言実行だと。だから、一度言ったことは曲げねぇ。」


しかし、未だに状況が理解出来ていないようだ。ハッキリと言われなくては分からないようだ。


 「つまり、この俺の弟子になれるということだ、お前の願いが叶うということだ‼︎」


 凍士はやっと状況を理解し、安堵したようにその場に座り混んだ。

 こうして、凍士は照の弟子となった。

2029年11月:第二の試練を突破し弟子となった。


 (弟子となった凍士にも異名がつくことになるのだがそれはまた別のお話…)



 


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