第5節 試練攻略4 (少年期5)
2人は、第二の試練を行う場所に向かって歩いている。
凍士は、照に疑問を問いかけた。
「なぜ、肉体的なことではなく精神的な
試練を与えられたのでしょう?」
「簡単なことだ。肉体の成長には限界があるからだ。」
照は、続ける。
「肉体の成長には、限界があるが精神に限界はない。それに、自分の理解度が上がるほど強くなれるからだ。」
「なるほど、理解しました。」
凍士は、このような会話をしていたが自分はあまり強くなっていないのではとも同時に思っていた。
「凍士、準備をしておけ。」と一言言ってきた。
凍士は、照の一言を聞き集中力を高め始めた。
「ここからは地下に行く。」
その建物は、事務所併用住宅だった。
珍しくはあったが、外観に特徴はなかった。
玄関のインターホンを押したが、誰かが出て来るということはなく、カシャンという音が聞こえた。そして、照はドアを開け中に入った。
すると、2人乗りであろう簡易的なエレベーターのような乗り物があった。
それに乗り地下に移動した。
地下に着くと、そこは3メートル四方の武舞台のようなものとあとは換気口などの最低限のものしか設置されていない殺風景な場所だった。
照は説明を開始する。
「ここは、元々俺のひいじいちゃんが職場兼家として立てたらしい。そして、それを引き継いだ爺ちゃんはそれを畳んだのだが、それを父ちゃんが業者に頼んでリフォームと地下の拡充をしたらしい。」
照は説明を続ける。
「その拡充野範囲は縦・横・高さすべて5メートル。俺はあまり広くはないと思っている。」
と、照は言っているが試合をするには十分だろう。
今度は、試練の内容の説明を照が開始した。
「試練は、俺との試合だが、気絶するかこの武舞台から落ちれば終了だ。そして、その上でお前の実力と覚悟を見せて貰う。
良いな?」
「はい‼︎」
「初めから全力で行かせて頂きます‼︎」
ピーッという開始の合図がかかった瞬間
俺に向かって凍士はこの間3人の中学生を倒すことに成功した技を使って来た。
やはり、あの中学生たちより鋭い攻撃だ。しかし、実践が少ないのだろう動きがとても直線的だ。
正直甘いとしか言えない。
俺は攻撃を仕掛けてきた右手の前腕を持ち
勢いよく投げ飛ばしたが、凍士は武舞台から落ちなかった。
(どうやら、能力によって体を支えることで落ちないようにしているようだ。)
おもったよりできるので、今度はこちらから仕掛けることにした。
俺は、凍士に向かって感情を込めた攻撃力を高めた右拳で最短距離で殴ったが、
凍士はその攻撃をいなしたのだ。
(どうやらこれもまた能力のようだ。)
俺は凍士に言った。
「これから、少し本気を出すからな。」
凍士は決意に満ちた表情でこちらをじっと見ている。
ここまでは意外と良い勝負をしていた、
凍士は能力のオン・オフの切り替えとその応用にようによって照の攻撃に耐え、
そして食らいついていたのだ。
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