第2節 試練攻略1 (少年期2)

凍士は、照からの試練に確固たる決意で望んでいた。

 その試練とは、第一の試練

『2030年3月までに自分の「芯」(核)を見つける』というか物だ。

 今から2年半後までという期限付きの上曖昧な試練にどうすれば良いのか分からず、家族に聞いて回った。

 家族全員がそれぞれ「芯」を持っていたが、それが自分にあるのかを考えた、それだけで

既に試練を与えられてからら二週間が経過していた。


凍士は、あの時の事を思い返していた。

 あの時、照さんはハサミを持った上級生の体に最短距離で詰め、デコピンで倒した。

 あれは、おそらく基礎なのだろう。

あれくらいできなければ弟子になる資格がないということなのだろう。そう、思い到り、集中してとことん自分に向き合った。

 日常のことは、最低限に抑え残りの時間は自分を見つめ、向き合う事に使った。

 そうしているうちに2年が経過した。

ある日、最早毎日のルーティンになってしまった自分に向き合うことに専念していると、自分の姿をした何かが目の前に現れた。

 自分の姿をした何かは、凍士に問いかけてきた。

「俺は、お前の本心だ。

お前に取って最も大事なことはなんだ?」

「照さんの弟子になること」

「違うだろう?何故おまえはあの照とか言う

少年の弟子になりたいと思ったんだ?」

「あの現実離れした動きをマスターする為か、違うだろう?」

「僕は、同じ境遇の人を少しでも救いたい!

そして、弱い人の安心できる場所を作りい!」

 そうか、自分の最も大事なことが何か分かったようだな。自分の本心と言ったものは消え、いつもの見慣れた部屋になっていた。

 そして、一つの変化に気づいた。


それは、自分だけの能略だった。

 今は、最大30センチ程度と小さいが、空気を固め氷となった弾を敵にぶつけるというもの。

 殺傷能力は低いが実質弾切れがないと言う物量が武器と言う能力だ。

 この時点で、2029年9月やっと凍士は自分にとことん向き合い、その結果「芯」と言うものを見つけることができた。

 だが、試練をクリアできたからどうかを判断するのは自分ではなく照なのだ。


 凍士は、自身の「芯」を見つけ、自信を持った状態で照に初めて会った場所に向かうのだった。



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