合同幹部のほのぼの日常編
第4話 合同幹部仕事日の一日 (昼)
魔王軍幹部の朝は早い。魔王軍の城下町のアパートの一室にて朝5時起床...
「起きろ。デミル。」起床...
「...zzzもう食べられないの...zzz」
「はぁ...」ため息をついたバルファクは思いっきり息を吸う。そして...
「デミル朝だ!起きろ!」なかなか起きないでデミルに大声を出す。
「はっもう5時ですの?」大声に反応してデミルが勢いよく起床した。
「もう5時30分だ!早く支度しろ!」
ちなみに魔王城に出勤時間は6時であるため30分しか猶予はない。
バルファクはゆっくり起きてくるデミルを抱え、急いで服を着替えさせる。
この服はテトマリアお手製の服でサイズはぴったりに作ってくれた。
...ほんとは作らせたの間違いである。これでこの間の貸しはなくなった。
そうしてデミルを着替えさせた後、歯磨きと顔洗いを終わらせ朝ご飯を食べさせる。
その間にバルファクはデミルの仕事用荷物を全部まとめて、支度を終わらせる。
そうこうしてデミルが朝ご飯を食べ終わったタイミングで、家の鍵を閉めたことを確認した後...
「デミル!行くぞ!」
「は~い!」
そう言いバルファクは荷物を持ち、抱き着いてきたデミルを背負って魔法を唱える。
「瞬間移動ワープ・ドライブ!」
バルファクとデミルが光に包まれ、部屋から姿を消す。
...この時バルファクは部屋の電気がつけっぱなしであった。
そうしてバルファクとデミルは法務幹部の執務室にワープする。
この時、時間は6時ちょうどだった。
「デミル。もうちょっと早く起きれないか?」
とバルファクはデミルにお願いしてみるが
「デミルだって起きようとはしてるの。努力はしてるのよ。」
....一応努力はしてるみたいなのでバルファクは責められない。
そんな忙しい朝を乗り切り、法務幹部の仕事が始まる。
法務幹部と言っても来る書類は本来はそんなにない。
もうすでに法律は大体決まっているし、裁判とかをバルファクがするわけでもないので
”本来は”そんなにないはずなのである。
だが、別の幹部が仕事を押し付けてくるためなぜか管轄外の書類が増えていく。
「はぁ~」
バルファクは管轄外の仕事を片付けていく。
そんなバルファクを見てデミルは疑問に思うことがあった。
「バルファク~?なんで別のやつの仕事をするの?バルファクはしなくてもいいはずなの。」
まぁ当然な疑問である。もちろんこれにはちゃんと訳があるわけで、
「...俺もしたくはないのだがやらないとあの”木偶の棒”仕事放置しやがるからな。やるしかないのよ。」
バルファクの言葉を聞いたデミルは怒っている。
「それは”しょくむほーき”なの!なんでクビにならないの!」
確かに本来ならクビ案件だがこれにも訳がある。
「魔王様も気づいてはいるんだよ。...だとしても強さはNo.2だからクビにできないのよ。」
「そんなわけで俺が仕事してるってこと。大丈夫だ。魔王様に直接提出するから全部俺の手柄になる。」
こんな話をしながらデミルと一緒に少しづつ書類を片付けていく。
そうして書類の半分が終わった頃、昼を告げる鐘がなった。
その鐘を聞いたバルファクは書類から手を放してデミルに話しかける。
「デミル。昼休憩だ。どこか昼食を食べに行こう。」
デミルは目を輝かせて要望を出す。
「行くの~!私うどん食べたい!」
バルファクはうどんと聞いて最近できたうどん店を思い出した。
「よしじゃあ最近できたうどん屋さん行くか!」
「は~い!」
返事しながら背中にデミルが飛びついてくる。
バルファクはデミルを背負いながら歩いてお店に向かう。
瞬間移動ワープ・ドライブを使えばいいじゃないか。と思うかもしれないが
瞬間移動ワープ・ドライブは法律で
”ワープ先は自分の個室だけ”と定めてあるのでむやみやたらには使えない。
そもそも瞬間移動ワープ・ドライブ自体、最上位魔術で今のところ魔王様と俺しか扱えない魔法なのだ。
一見意味ないかもしれないがこれから先使えるものが出てきたときのために先に定めておこうと魔王様と話しあってきめた。
そんなこんなで魔王城から歩いて20分後...
最近できたワニ角うどん店に着いたので店に入る。
店内は清潔感があってとても心地いいものだ。
バルファクの姿を見て営業スマイルが崩れながらも店員は席まで案内してくれる。
魔王軍の幹部が来たともなれば営業スマイルなんて崩れるだろうとは正直わかっていた。
そうこうして店員がメニューをもってきてくれお辞儀をしてから去っていく。
「デミル。何注文する?」
バルファクはデミルにメニュー表を見せながら反対側からバルファクも決めようしていた。
デミルは数秒で決めたらしく、こっちをじっと見ながら待ってくれている。
俺もメニューをパラパラとめくり、気になるものがあったのでそれにした。
店員さんを呼び、注文をする。
「さっぱりすだちのうどんの並1つ」
「同じものが欲しいの!」
どうやらデミルも同じものだったらしくすだちうどんを2つ注文した。
そのあとデミルと次の業務確認をしていると...
「失礼します。さっぱりすだちのうどんが2つになります。ごゆっくりどうぞ。」
そう言ってがちがちになりながらも店員さんが持ってきてくれたうどんを二人は食べ始めた。
味は書いてあった通りさっぱりしていて、すだちがよく効いている。
デミルも気に入ったらしく、どんどん食べていく。
そうしてデミルとバルファクは食べ終わり伝票をもって会計に進む。
この店の値段は良心的で...
「お会計1000円になります。」
と一つ大体500円でうどんの並が食べられる。
バルファクは千円を支払いデミルを背負って店を出ていく。
「デミル。あそこはおいしかったか?」
バルファクはデミルに聞いてみる。気に入ったのならまた来ようと思っていた。
「うん!とってもおいしかったの!」
デミルも気に入ってくれたようなのでまた来ようとひそかに考える。
バルファクが時間を確認するとそろそろ昼休憩が終わる時間になっていることに気づいた。
「デミル。そろそろ昼休憩が終わるから執務室に帰ろうか。」
デミルにそう声をかけるが、
「む~もう終わりなの~もうちょっと休憩したかったの。」
とデミルはすねてしまう。
こうなったらなかなか機嫌が直らないのでバルファクはとりあえず執務室へ帰ることにした...
次は午後の業務になる。
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