第31話 結婚
「この方が兄である証拠は、これです!」
「それは、王家のしるし……」
レイアは、王家のしるしをラクに当てると……
まばゆい光が当たりを照らし出した。
「これは……」
「この大ネズミの言っている事が正しかったが……もう、遅い……」
「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁーー……」
王妃様は、崩れ落ち泣き出した!
『おい! ラク……何してんだ!?
もう、こうなったら諦めろ。』
『いや、待ってよ……僕、王様なんて絶対ーー嫌!
このまま、君達と楽で楽しい生活を送りたいんだ……このまま死んだフリをさせて!』
『別に、妹に任せれば良いじゃねーか!
適当に理由をつけて、言い訳をすれば大丈夫だと思うぞ。』
「確かに!!!」
そして、僕は起き上がった。
「お兄様ーー!!!」
すると、レイアが抱きついて来た!!!
「ちょっ……危ないから……場所を移動しよう。」
そうして……剣を引き抜き回復をしたーー僕は、貴族達の悪巧みを暴露……
そして、後の事を兵士に任せてレイアの寝ていた部屋へと戻った。
「お兄様! 本当に、何ともないのですか?」
「うん。大丈夫だから心配しないで!」
「私は……私は……ごめんなさい。」
「いえ……一番悪いのはーー
この……じいーで、御座います!
王子を見つけることも、王妃のナルガ様も止める事が出来ませんでした。」
僕は、少し思った。
「…………な」
「でも、お兄様も何故直ぐに戻って来ては下さらなかったのですか?」
あっ! ここ大事なとこだ……
「それは、悪い魔法使いに捕まっていたんだ。
だから、戻ってくる事が出来なかった!
そして、僕はーーそこで魔法を覚えて、やっとの事でーーその悪い魔法使いを倒して!
ここに来たって訳さ。」
「それでは、これからは! 共に暮らせるのですね。」
「可愛い! じゃなくて……実は、妹よ。
確かに、悪い魔女は居なくなったのだけれど……」
「悪い魔法使いに、では無いのですか?
お兄様……」
「そう、悪い魔法使いこと……悪い魔女が……
居なくなったのだが!
実は、僕が捕まっていた。
その場所には……悪い魔女が凶悪なドラゴンが封印していてーー僕は、その封印を守る任務があるのだよ!」
「悪い魔女は、凶悪なドラゴンを封印していたのですか?
悪い魔女は、良い人なのか悪い人なのか……
どちらだから分かりませんね。」
「えぇ〜……と、それで!
僕は、その場所の所有権を貰うために
来たんだよね……」
「その他の領主になると言う事ですか?
その必要は、ありません。
貴方様は、この国の王子! いや、王なのですから!!!」
「いや、だから……ドラゴンが封印されているからーー僕は、その場所から離れられないから……王様にはなれないんだ。」
「でしたら、この国の兵を動かし!
そのドラゴンを討伐いたしましょう。」
「無理無理! めっちゃ強いから。
それに、せっかく封印されているんだ!
無理に戦わなくても……」
「でしたら、この国の魔法使いを集めて!
より強固な封印を!!!」
「いや、大丈夫!!! 僕が居れば、全然! 問題ないから……」
「でも、それでは……
貴方が、その地に縛られ続けるのでは!?」
「それで良い! むしろーーそれが良い!」
「話が良く見えませんが……
所でーーそのドラゴンが封印されている場所とは、何処なのですか?」
「この国の外れの森です!」
「ああ、あの最近ダンジョンが見つかった。」
「そう、そのダンジョンにドラゴンが封印されているのです。」
「では、貴方はーーそこに住んでるのですか?」
「そこに、住んでいます!」
「では、お城をーーそこに移しましょう。」
「いや、待って! そこで、やりたい事があるから……それは、困る。」
「話が、ごちゃごちゃに……なってんな。
ラク、お前が悪いぞ!」
「分かってるよ! とりあえず、細かい事は良いから。
あそこの森の権に所有権を頂戴! お願い。」
「それは、良いのですが……この国の事は!?」
「それは、レイアに任せるよ!
結婚するんだよね!?」
「はい。
大会の優勝者である! お兄様と」
「出来る訳ないだろ! 僕と君は兄弟なんだからーーそれに、僕は大会で優勝してないよ。」
「私と結婚するのは、嫌ですか?」
「嫌とか……そう言う事じゃなくて……」
そんな風に、僕が困っていると……
母である王妃が、笑い出した。
「お母様が、笑った……」
そして、それを見たレイアが涙を流しながら笑った。
涙を流しながら、笑う2人を見て
僕は、思った。
「宝石みたい……」
2人は、白銀の髪にブルーの瞳とグリーンの瞳……
僕の目には、宝石のサファイヤとエメラルドに写っていた。
「その気持ち! 分かりますぞ……
貴方の髪と瞳の色は、前王と一緒ですからね。
前王のクシャル様も同じ事を良く言って、おられました。」
「……ねぇ〜。
所で、僕の本当の名前ってーーなんて言うの……?」
*
*
*
それから、僕は
あの森とダンジョンの権利書を貰い。
はれて、あの地の領主となった……。
おしまい。
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