第30話 王家のしるし
「おいコラ! お前、やっと見つけた!!!」
「お前は、何で……牢屋にぶち込まれてたはずでは!?」
そこには、貴族達と密会をする審判の姿が……
「まぁ、良かろう。
兵士を呼べ! 手間が省ける。」
「何で、あんな事をした!!!」
「それは、お前が邪魔だからに決まっているだろ。
あのまま、勝たれ続けてはーー困るんだよ。」
「別に、良いだろ! 結局、勝者なんて出す気ないんだから。」
「実は、そんな事も無いんだよ。
レイア王女も、もう直ぐ結婚できる歳になる!
なので、そろそろ本当に結婚する相手を決めなきゃいけなくなる。」
「そんな時に、君が現れてしまったからね。
あぁするしかなかったのだよ……」
「ふざけるな! 王女も巻き添えになる所だったんだぞ!!!」
「そうだね。
王女様を助けてくれた事だけは、君に感謝しているよ!
それで、どうだ!? 我々の仲間にはいらないか?」
そう貴族の1人が、待ちかけて来た!
「君は今ーー大罪人だ。
しかし、真犯人を差し出せばーー君の罪は無くなる。
どうだ? 我々と共に、この国を我が物にする気はないか?」
「そ……それでは、私が!!!」
審判の男が焦り出した。
「それで、お前らはーーこの国をどうするつもりだ!?」
「それは、しっかりと君を支えて行くつもりだよ!
それで、見返りと言っちゃ何だが……王妃と王女は、私達に譲っては貰えないか。
別に、良いだろ! 女なら他に腐るほど用意する。」
「あっ! ごめんなさい……。
そう言った展開は、教育上悪いので! やめましょう。
なので、お断りします!」
「なら、仕方ないですね。」
そこへ複数の兵士が現れた!
「兵士達……脱獄した大罪人を殺しなさい。」
「はあーー!!!」
「いや、兵士の皆さん!
ちょっと、待って下さいよ。
どう見ても、今の状況を見る限りーーこの貴族達が、悪い事をしているのは明白だし。
事後は、絶対! 僕の誤解が解けてハッピーエンドの流れですよ。
少し考えれば、わかる事……」
ブシュッ……
ラクは、兵士に胸や腹、至る所を刺されていた。
「躊躇しないのね。君達……」
バタッ……
そこへ!
「お兄様ーー!!!」
「ラクーー助けに来たでーーー!!!」
「これは、王女様! 何用で……?」
「お兄様は、何処? きゃぁぁぁーー!」
「ラクーーお前……何で死んどるんやー!
だから、あれ程! 待ってろって言ったのにー……
牢屋に居れば、こんなに探さずに済んだのにー……」
「王妃様に、じぃーや様まで……兵士達もこんなに連れてーーこれは、いったい何事ですか?」
「兵士達よ! この者達を捕えなさい。
あぁ……私は、なんてバカなのでしょう……。
私が武術大会など開催しなければ……やっと、会えた息子を失わずに済んだものを……」
「これは、いったいどういう事ですか!?
説明をして下さい! 王妃様!!!」
「この者……いや、この方はーーこの国の第一王子様であったのだ……。」
「そ……そんなバカな!
王子は、幼い頃にーー盗賊に襲われて死んだと……」
「死んだと言う報告は、受けておらん!
行方不明になったと報告を受けたのじゃ……
それから、10数年見つからないから死んだと思われていたのじゃ……」
「しかし、10数年も行方不明でーー今頃現れるなんて……証拠は!?
この者が王子であると言う証拠が無ければ誰も納得しません。」
「この方が兄である証拠は、これです!」
「それは、王家のしるし……」
レイア王家のしるしをラクに、当てると……
まばゆい光が当たりを照らし出した。
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