第22話 マオさん
そして、次の日……
「あっ、おはようございます。
マオさん……」
「いや〜……昨日は、すまなかったね。
私も、ついつい飲み過ぎてしまったよ……」
「いえ、大丈夫ですよ。
俺も昨日は、強く言い過ぎました!」
「そんな事ない。
私も君が正しいと思うよ!」
それから、2人はクリスの入れたコーヒーを飲みながら少し話すと……
「マオさんは、冒険者ですか?」
「冒険者では無いよ!
お忍びで来ているから、詳しくは言えないけど……大勢の者をまとめる指揮官の様な事をしているよ。」
「軍人さんか何かですか?」
「まぁ、そんな所だね。」
そこへ、ラクとラットが現れた!
「皆んな〜……おはよぉ〜。」
「……ねぇむぃ…………」
それから、皆んなで朝食を楽しく食べると
魔王さんは、帰る事になった。
「魔王さん……また、いつでも遊びに来て下さいね。」
「勿論だとも、だって!
私は、君達のメンイヒロインだからね。」
「まおーが、メンイヒロインなんて……
えぇやん! えぇやん! これからよろしくな。」
「マオさん、俺もお待ちしてます!」
*
*
*
それから魔王は、毎日ダンジョンに訪れる様になった。
そして、クリスは大所帯のリーダーという事もあり魔王と話が合うため、とても仲良くなっていた。
「いや〜君は、本当に優秀だね。
私の部下に欲しいくらいだよ!」
「いや、俺は師匠に返しきれない程の恩があるので! それは無理ですが……
マオさんと語るのは、とても勉強になります。」
「そうかい、そうかい。
私も部下への対応などは、まだまだ勉強中の身だけど! 褒められるのは、嬉しいもんだね。」
「初めの印象は、悪かったですが……
今は、尊敬すらしてますよ!」
「それは、忘れてくれよ。」
そこへ、ラクとラットがやって来た!
「やぁ〜! まおー、また来てたの?」
「やぁ、2人とも! ここには、珍しい物が沢山あるからね。
毎日、来ても飽きないよ!」
「そんなに遊んでばかりいると、クビになっても知らねーぞ!
魔王、追放もの! なんて流行らねーぞ。」
「君達にだけは、とやかく言われたくないね。」
「確かに、そうだね。」
「「「アハハハハハッ!」」」
「いや、笑い事じゃないですよ。
皆さん! もう少し真面目に仕事をして下さい。」
こんな日々が続いた! ある日……
魔王が血相をかいて、現れた!
*
「お前ら! 落ち着いて聞いてくれ!!!」
「いや、マオさんが……
一度、落ち着いて下さい!」
「はぁ……はぁ……
あぁ、そうだな…………お水、ありがとう。」
「で、どうしたんだ? まおう。」
「実は……昨日、落雷があっただろ!!!」
「ええ、少し離れた森にですが……」
「聞いた話しによると……
落雷が落ちたのは、その森に生えている。
1000年以上たった木に落ちたらしいんだよ!」
「それが、どうしたのですか?」
「実は、1000年以上!
生きた木には精霊が宿ると言われていて、その木に落雷が落ちると……
割れたみきから酒が、三日三晩! 湧き出すらしいんだ。」
「何だと!!!」
「だから、その木を急いで探す為に
君達の力を借りたいと思っているんだよ!
こうしている間にも、湧き出た酒は地面に溢れてしまっていると思うと! 居てもたったも居られなくて!!!」
「それは、大事件だね。」
「ラク! 急いでダンジョンを監視させている目玉コウモリを使って、探し出すぞ!!!」
「分かった。
クリスも手伝って! 僕は、酒好きの魔物を集めてくるから。」
「急ぐなら……俺達だけで、良いのでは?」
「何言ってるのさ! お酒は、大人数で飲んだ方が美味しいに決まってるでしょ!」
「確かに、分かりました。」
そして、大急ぎで場所の特定と酒好きのモンスターを集めた!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます