第5話
新しく手に入れた魂を使って降臨を使ってみる。
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【ステータス】
ジョブ:クラウン(アビスモンキー)
レベル:降臨による停止
魔 力:4/7
力 :380
俊 敏:1400
頑 丈:400
耐 性:400
運 :500
【特殊能力】
・暗視
・方向感覚
・暗化
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見た目は変わらず、黒いローブに近い見た目。フードもそのままだ。魂はレベルが存在しているようだし、デッドリースコーピオンもアビスモンキーもどちらもCランク。Cランクは全部こういう見た目なのか、他のレベルの魂もこういう見た目になるのか楽しみだ。
ひとまず、降臨は三分しか持たないので、そのまま全力で走る。
デッドリースコーピオンは戦闘向きって感じだったけど、どうやらアビスモンキーは探索向きのような特殊能力を持つ。
中でも、暗化は暗闇に同化して周りのモンスターが僕に反応しなくなった。
そもそもモンスターを倒してもレベルは上がらないし、素材を持ち帰りたくてもリュックも無くして持ち帰れない。
もう一つの特殊能力のおかげなのか、出口が何となくわかる。
そこを目掛けて全力で走り続けた。
三分で着くことができず、もう一度降臨を使いようやく出口が見えた。
しかし、その前に巨大なモンスターが佇んでいた。
アビスモンキーを大きくした感じの、ゴリラという感じはなく猿のまま巨大になったものだ。さしずめ、アビスキングモンキーと呼んでも問題ないだろう。
それにしても……こいつを倒さないと外に出れそうにない。後ろに見えるゲートに大きな鎖がいくつも入口を塞いでいて、仮に触れることができても外に出られなさそうだ。
戦うしかないか……しかし、勝てるのだろうか?
ここを出て……魔欠病を治す方法を探すためにも……絶対に倒す!
アビスモンキーのまま攻撃を与える。
太い樹木のような足を蹴ると、バゴーンと大きな音が響くが、相手はピクリともしない。
真っ赤な目が光り、僕を見下ろした。
すぐに腕を振り下ろして僕を狙ってくる。
避けた地面を叩きつけると、凄まじい地鳴りが響く。
一撃喰らっただけで致命傷になりかねない。
だが、巨大猿は見た目以上に素早く、次の動きまでの一連の動きが驚くほどに速い。
まだギリギリ避けられるけど、こっちの攻撃が効く気配がしない。
残り時間は30秒。
この状態でデッドリースコーピオンに変更をしてみる。
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【ステータス】
ジョブ:クラウン(デッドリースコーピオン)
魔 力:2/7
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残り時間:180秒
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魔力が減った!?
くっ……途中で変更はできなくて、秒数も上乗せではなく上書きか……!
そのとき、ギリギリ避けていた巨大猿の攻撃が避け切れず、一撃受けることになった。
強烈なハンマーで殴られたような、全身に痛みが走る。
けれど、デッドリースコーピオンの頑丈値の高さのおかげで、まだギリギリ保てる。
殴られた瞬間に僕も攻撃をして劇毒を与えた。
近くの木をいくつか倒しながら吹き飛ばされたが、見た目以上にダメージはない。
俊敏で巨大猿に勝てないのか……だが、デッドリースコーピオンじゃなければ攻撃を与えることもできないし、おそらくデッドリースコーピオンでもダメージはあくまで劇毒でしか与えることしかできない。
でも……これで勝てる道筋はできた!
「絶対に……絶対に僕は生き残る! ここを出て……結月を……絶対助けるんだああああ!」
それから巨大猿と正面から殴り合い始めた。
――――痛い。
お父さんから殴られているときのような、殴られた箇所は痛いが微妙に打撃箇所をずらして、ケガを最小限に抑える。
三分間、何度も何度も殴り合った。
全身に走る痛みは……眠り続けている結月のことを思えば、なんてことない。
降臨が切れる寸前、巨大猿のキックを避け切れず、大きく吹き飛ばされ、降臨が切れると同時に後方にあった大きな樹木に激突した。
頭がクラクラする。
全身に感じる痛みは尋常じゃないもので、何か所も骨が折れているみたいだ。
それでも……それでもっ……僕はここを出て、結月を助けたい。
たった一人の妹。
彼女とは血のつながりはない。けれど、彼女と過ごした日々は僕にとっては一番の宝物で……彼女から受けた優しさは僕の全てだ。
すぐに助けてあげるから……もう少しだけ待っていてくれ……。
残り二回の降臨を使う。
またデッドリースコーピオンだ。
すると不思議なことに体中に感じていた痛みが消えた。
もしや降臨中は降臨前の傷がなくなる……? それとも回復する?
軽くなった体を起こしてまた巨大猿と対峙する。
また一分間殴り合いを続けた。
このままいけば……絶対に勝てる! 劇毒は無限に続くわけじゃないから、定期的に与えないとダメージにならない。けれどあと五分もすれば倒せる気がする!
――――そのときだった。
「ぎゃらああああ!」
巨大猿が大きく叫ぶと――――背中から大きな骨が二つ出現して、それを抜き、左右の両手でぶつけると、一本の大きな棒に変わった。
そして――――一瞬で飛んできた巨大猿は今までとは違って巨大な棒で僕を叩きつけた。
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