第11話
「五分経った」
わたしは充電切れ寸前のスマホを
みながらいった。
「どうよ、私の顔」
ビビンバが自分の顔を指さしながら
たずねた。
「あっ、レオナルドディカプリオ」
豚のようだったビビンバが
まるでアメリカの映画俳優のように
変貌を遂げていたのだ。
「すごいっ、この生姜焼きすごいっ」
「こっちのカバのスライスも食べてみるか」
「国際動物保護法案に抵触しそうな
料理ね」
「いいから、ひとくち」
「それじゃあ」
わたしはカバのスライスを
ひとくち食べた。
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