第2話
席に付いてからも、ずっと下を向いたままの嫁さんがゆっくりと口を開いた。
「あなた・・・本当にごめんなさい・・」
何故だか、謝罪の言葉を聞いたら腹の底から怒りが沸いてきた・・・なんでだ?
抑えなきゃ・・冷静に・・
「なぁ、ユリはどうしたいんだ?俺に不満があったのか?それともあの男が俺よりも好きになったのか?教えてくれよ。」
「そっ、そんな事・・・。あなたに不満なんて無かった!あの人とはっ、身体だけっ!本当に・・身体だけなの・・ずっと心は・・愛してるのは・・・あなただけなの、信じてっ!」
嫁が椅子から降りて土下座してきた。
一気に頭に血がのぼってしまった。意味が分からない。好きじゃない??
性欲だけで、コイツは俺を裏切り、好きでもない奴に抱かれ、2人で積み重ねて来たモノをぶち壊したのか?
話し合うまでは嫁さんに対してどっか冷めて…少し他人事みたいに感じてた。
仕方ない事なのか、もし間違えてしまったのなら許さなきゃいけないのかなと思ってた。
けど…面と向かって話を聞くと怒りの感情が止まらない。
「あの男が好きなんじゃないのかよ。何だよ、身体だけって!俺じゃ満足できなかったのかよっ!?」
「ちっ、違うのっ!好きじゃないっ!それにっあなたで満足してたぁ!…だけどっ・・・本当にっ、本当に愛してるのはっ、あなだ…だからぁ・・ゔぅ〜・・・お願いだからぁっ、許して下さい・・」
駄目だ・・、言葉が止められない。
「なぁ、俺はお前の何を許せばいいんだよ⁈
若い男と浮気をした事か?
旦那以外の好きでもない男に股を開いて喜ぶお前の身体か⁈今まで2人で築き上げたモノを欲に負けてぶち壊しちまうお前の軽薄さか⁈
俺が悪かったのかっ⁈お前を満足させられなかったっ、そんな惨めなっ、情けない男っ、・・俺が悪かったのかよっ!!」
「そっ、そんなことっ、そんな事無いっ!うぅっ・・ひっぐ、違うっ、違うのぉ・・っ!
知らなかっだっ、知らなかったのぉ〜・・・知りたくながっだっよぉ〜、こんなっ!こんなのぉ〜、」
「何が違うんだよっ!何が知りたくなかったんだよっ!?ふざけんなっ!今まで何人に、その汚ねぇ股開いてきたんだよっ!クソがっ!」
「はっはじっ、初めてっ!信じてっ、お願いしますっ、信じてっ、信じてよ〜・・あの人が本当に初めてなのぉ〜・・・」
「何が初めてだよ・・どうやって信じろっていうんだよ・・そもそもだろうがっ、!っ、惨め過ぎるだろ・・テメェの嫁さん、好き勝手されてよ・・好きでも無いのに、抱かれるような女にされちまってよ・・・どうせ生でもやらせてたんだろ・・・」
「そっ、それは・・、ごっごめん…なさい・・ゔぅ〜・・ぐっす・・」
「図星かよ・・はぁ〜もうケツの穴もやらせてんじゃねぇのか?この淫乱がよっ・・」
「しっ、してないっ!まだそっちはしてないからっ!本当っ、本当だよっ!」
「まだって、・・する気だったって事じゃねぇか…つーか、お前・・・いつからだよ・・」
「2…2ヶ月くらい前から・・・・」
「2ヶ月も俺は気付かなかったのかよ・・・・
ほんと笑えるよな、これで愛してたつもりだったんだぜ。
惨めだよな、知らない男に開発されてる嫁さんを、俺は喜んで抱いてたんだよ・・・
どう思う?なぁ?
どんくらい抱かれたんだよ?情けねぇ旦那ほっといてよ。・・」
「そっ、そんな事無いよぉっ!、ヒロは・・情けなくなんかないっ、情けなくなんか・・ないのっ!ぜっ、全部わたしがぁっ、わだしが悪いのぉ〜・・うぁあ・・んっ・・ひっく、ゔぅ〜」
「つまんねぇ慰めは、いらないからさ・・・・どのくらい抱かれたんだか教えてくれよ・・」
「週、・・週二回くらい・・あの人から呼び出されて、・・会ってました・・ごめんなさい」
「会ってたんじゃないだろ、情けねぇ下手くそな旦那より気持ち良くしてくれる男と交尾してました、だろ。ちゃんと言ってみろよ。」
「ゔぅ、やっやだよ・・そっそんな事・・ひどい・・・言えないよぉ、あなたっ許してっ!」
「ひどいのはどっちだよ・・いいから言えって言ってんだろっ!」
「ゔぅ、夫より・・気持ち良くしてくれる・・男と・・交尾してまし・・た・・」
自分で自分が分からない・・。頭では、こんな事したって意味ない事くらい分かってる。
でも抑えられなかった。
ただ思いっ切り罵倒して、背中がゾクゾクした。そして少しだけ冷静になった。
「なぁユリ、俺たちもう終わりにしよう?もうやり直せないよ。今まで楽しかった。こんなカタチで終わるなんて、思わなかったけど・・・今までありがとう。最後に、酷いこと言ってごめんな…ユリのこと・・気付かなくて、満足させてやれなくて悪かった。」
「やっやだっ、やだよっ!お願い、なんでもしますっ!別れたくないっ、ヒロと離れるなんて・・なんでもっ、なんでもするからっ・・」
「無理だよ・・・もう戻せないよ。正直今だって、自分を抑えてるんだ…」
「ねっねぇ、お願いっ!私の・・、私の話しを聞いて欲しいの…」
「・・・・」
今さら聞いてどうするんだよ。
「っつ・・・、あなたっ!」
突然ユリが服を脱ぎ出した・・・・
止める間もなく下着も全部脱いで、裸で土下座している。
「お願いしますっ!最後に私の話を聞いて下さい。後はっ、何でもあなたの言う通りにしますからっ!
ですから・・お願いです、聞いて下さい・・」
全裸で土下座をしながら、必死に懇願している無様な嫁を見て、俺はまた哀しみと一緒に怒りが沸いてくる。何をされたら、こんな事するようになっちまうんだよ・・・
グチャグチャな感情に加虐心が湧き上がってくる・・クソみたいな最低な自分がいた・・・
あぁ〜、もう無理だ。せっかく抑えてたのに。
「ユリ、お前のその薄汚い裸を俺に見せて、何したいんだよ?浮気相手に謝罪する時は全裸で土下座するように教わったのか?」
「ちっ、違いますっ!けど・・、こうでもしなきゃ話を聞いて貰えないと思って…」
「ふーん…じゃあ、そのみっともない格好のまま話してみろよ。聞いてやるから。」
「あっ、ありがとう…正直にこの2ヶ月間の事を話すから…」
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