第4話
次の日。
俺は異世界の朝食は食べず、部屋でハンバーガーとサラダセットを食べる。
飲み物はコーラ……は朝からはやめようか。最近、結構飲んでいたので、健康のことを考えて緑茶。
ペットボトルごと召喚されたそれを口に運ぶ。異世界からしたらこの飲み干したペットボトルでさえかなり貴重品だと思う。
なので、そこら辺には捨てられないので、俺のアイテムボックス行きだ。
着々と、ゴミも溜まってきているのでどこかで廃棄できればいいのだが、異世界だとそんな場所はなかなかないだろう。
それこそ、ドラゴンでも召喚できれば、火のブレスとかでまとめて処分できるのかも知れないが。
まあ、勇者のアイテムボックスに容量はないらしいので、今はいいだろう。
歯磨きもちゃんとして、顔も洗って外に出る準備完了。
比較的この世界でも目立ちにくい地球のシャツに袖を通し、出発だ。
……異世界の服、あんまり肌に合わないというかなんかちくちくしてたからな。
俺に異世界の生活は合わん。召喚魔法がなかったら今頃ストレス溜まりまくっていただろう。
よくクラスメートたちは楽しんでいるよな。持っている魔法の違いかね?
今日はとりあえず、ハンドガンを試したい。奴隷商は……まだ開いている店が少ないので、また昼時にでもこよう。
奴隷って、金貨約29枚で買えるのだろうか。途中の馬車の移動などで金を使っているため、結構減ってるんだよな。
ビー玉とかを売ってもいいが、今はあまり目立ちたくない。
もうちょっと力をつけ、金が必要な時にそういうことはしたい。
とりあえず、街の外に出た俺は魔物を探して歩いていく。
ハンドガンの弾は、特に魔力をブーストしなくても召喚できたので、予備は問題なさそうだ。
あとは、俺がハンドガンを使って魔物と戦えるかどうかだ。
今の俺は、日本にいた時よりも身体能力が上がっているのは確かだ。
異世界召喚された際に、全員多少の強化が施されたらしいからな。
ただ、鍛えてもどこまで強くなれるかは人によって様々だそうだ。
俺も、ある程度強くなれればいいのだが。
そんなこんなで街近くにいた魔物を探していたが、さすがに見当たらない。
ベルトリアが大きな街ということもあり、訪れる冒険者は多くいる。彼らが道中に魔物を狩るのは当然だし、騎士たちの巡回も定期的に行われている。
そりゃあ、魔物もいないよな。
……あれ? もしかしてレベル上げを考えるなら大きな街にしないほうが良かった?
奴隷を買うなら、大きな街の方が胸が大きい美少女がいるかもと思ったが…………。
下心はなく、優秀な子が安価で手に入るかもしれないと思ったから来たのだが、こりゃあ購入した後は別の街に移動するべきかもしれない。
そんなことを考えながら街が小さくなるくらいまで歩いていくと、魔物を発見した。
ゴブリン……だろうか? 三体いたゴブリンどもが、こちらに気づいてしまった。
醜悪な顔が、こちらへ近づいてくる。
……やべぇ、めっちゃ緊張する。落ち着け、俺。
深呼吸をしながら、アイテムボックスからハンドガンを取り出し、構える。
ゴブリンたちは、少し警戒したようだが、俺のハンドガンを見ても怯む様子はない。
未知の武器なんだから、そりゃあそうか。
俺はハンドガンに弾を装填し、それから引き金に指をかける。
……両手でしっかりと持ち、ゴブリンたちに銃口を向け、引き金を引いた。
その瞬間、激しい音をあげ、弾丸が放たれた。
狙っていたのとはべつのゴブリンに当たり、運よく肩を貫いた。
「あがああ!?」
ゴブリンが悲鳴をあげ、蹲る。……わー、グロい。能天気に考えていないとテンション下がりそうなので、無理やり意識しないようにする。
ゴブリンたちに動揺が走っている間に、すぐに構え直す。
思っていたよりも、反動と音が大きい。ハンドガンだし、大したことないのかと思っていたけど……実物は違うな。
狙いがずれたのは……トリガーも思っていたより重たく、引く時にちょっとブレてしまったんだと思う。
俺は深呼吸をして、引き金を引いていく。全弾放つと、ゴブリン一体を倒し切ることに成功する。
残り二体にも、何発か当たっていて、すぐには動けない様子だ。
その隙に、リロードをする。アイテムボックスから、召喚しておいたハンドガンの弾を取り出し、マガジンを入れ替える。
すぐにまた構える。ゴブリンが痛みに苦しみながらこちらへ向かってきたので、そいつにハンドガンをぶっ放す。
距離も近く、全弾命中。……異世界での強化があるのか、それとも俺って結構射撃のセンスがいいとか?
最後の一体、逃げ出そうとしたがダメージが残っていたこともあり、追いかけて撃ち殺した。
……弾は20発くらい使ってしまった。結構無駄撃ちもあった。狙うなら、足か心臓を一発で打ち抜けるようにしないとだな。
あと、銃声。……こいつ結構うるさいので、街から離れた場所で使ったほうがいいだろう。他の人に見られて、魔道具とか言って誤魔化せるならいいんだけど……誤魔化せるのかね?
もっというなら、音を少なくする道具があればいいんだが……確か、サプレッサーだったか?
あれとか召喚してもいいかもしれない。
ひとまず……戦うのは結構楽しいな。……いかんいかん。命を奪っているのだから、あまり喜ぶのは失礼だろう。
死んだゴブリンの死体は、アイテムボックスへとしまう。
解体などの知識はないため、これはギルドで専門のところに頼むのがいいだろう。確か、解体してくれる場所があったし。
ただまあ、解体をお願いする場合も慎重になった方がいいだろう。
下手に絡まれたくないし。
それから俺はハンドガンでゴブリンを討伐していき、レベルは5まで上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます