夜想

昼は人間の時間。夜は魔物の時間。
だから、人は決して、夜に出歩いてはならない。
もしも、それを破ったならば――

この世界の夜は、人に害をなす。夜の中で動植物は魔物と化し、迷い込んだ者に牙を剥く。ひとたび夜に呑まれれば、まず無事ではいられない。人が活動することを許されるのは昼の間だけ。
この世界に生きる少女チセは、もちろんそのことをよく知っている。しかし、行方不明になっていた愛猫のクロが突然チセの前に現れ、夕暮れのなか少女は黒猫を追って――

※分割したものを順次「小説家になろう」様にも投稿予定です。内容は同一です。