第4話 辺境村に到着しましたわ!!
アントニーとエドワードの双子が交代しながら寝ずのまま魔導車を走らせて、やっと辺境村へつきました。
村といっても、管理人の老夫婦と老夫婦の友人のご老人たちが何人かいるというだけの村です。
「お待ちしておりました。リリアンヌ公爵様。この村の管理を任されております。ターニャとバトラーと申します。やっと・・。やっとお目にかかれることを嬉しく存じます。」
管理人のターニャさんとバトラーさんはわたくしたち家族がきたことをとても喜んでおります。
「領主様が来られるお屋敷はできた当初のお造りですが、掃除と手入れはしっかりとしておりますので、今すぐにでもお使いになられます。
そして、後から来られるとおっしゃていたふた家族分のお屋敷もご用意させていただきました・・。」
「ああありがとう。ターニャとバトラー。それではまずは屋敷に行ってからその後の屋敷を見学しよう。」
ターニャとバトラーは頭を下げて自分たちの家に入って行った。
え・・と・・・。色々と突っ込みたいところがあるのですが・・・。
え??父様が辺境村に居を移すといってからわずか1ヶ月くらいなのですが・・。
1ヶ月でご老人たちがお家を建てられるのです??
そのような疑問を浮かんでいる時に、のっしのっしと何か・・ってでっかいイノシシを上半身裸で担いでくるお祖父様が見えます。そりゃあ筋骨隆々のお祖父様です。
文官一家のリリアンヌ家には一切ないタイプの方。
「筋肉かっこいいなあ・・。」
お兄様。お兄様。そうではありませんでしょ?
ここのご老人色々とおかしいですわよ!!
「ようお嬢ちゃんたち!リリアンヌ家のものか??」
「は・・はい。そうですわ。」
「おうそうなのか!ターニャとバトラーにあったか?ターニャは無愛想だし、バトラーは一言も喋らないだろハハハハハハ」
え?っと・・。そこは笑うべきなのかしら?笑っていいのかしら??
文官一家にはないノリの良さで引いていたら、誰かが駆け寄ってきてスッパーンと手に持っていた杖で叩きました。
「ねえ!!いきなりこんなでかい猪を担いだまま、話しかけたら、誰もえ?この人誰って思うよ!!少しは考えて話しかけてよ!!」
ええ。ええ。全くその通りなのですが、そこの美老人様。貴方様は誰なんですの??
「ああごめんね。僕の名前はヒース。この村で暮らしている老人たちの一人だよ。
リリアンヌの家のものが初めてきたからみんな少し興奮しててね。」
アダムス兄様がさっきからずっと考え込んでいる。
父様も母様。執事のマーロンに護衛騎士のジョージとトムも憧れの表情を浮かべてる。
メリーはさっきからヒースさんの顔を顔を赤ながら見てますし・・。
「ああーーーーーーーーーっっっっっ!!!!」
「やっと気がついたのね。アダムス。」
母様わたくしわからないです・・。
「ローゼちゃんも大好きな絵本があったでしょ?」
絵本・・・はて??
えっとわたくしが好きだった絵本・・・。
魔王様と勇者様が敵対同士だったのにいつしか惹かれあって結婚する絵本が大好きでしたが・・・。
あれ??確か魔王様の名前はターニャで勇者様のお名前はバトラー。
え??
「ローゼお嬢様。冒険物語で大好きな物語がありましたよね?」
ええ・・。冒険者のパワースと魔法使いのヒースが出てくる冒険活劇。
多分どの国でも子供達が一度は通る冒険物語・・・。
あれ??冒険者のパワースと魔法使いのヒース・・・。
えっと・・伝説の魔王様に伝説の勇者様に伝説の冒険者様に伝説の魔法使い・・・。
「え?えええええええっっっっっっ!!!!!」
「辺境村に来て良かったなあ。ローゼ。」
父様がうんうんとうなづきながら喜んでます。
「父様はご存知だったのですか??」
「うーん。リリアンヌの森の話は、代々脈々と受け継がれてはいるんだ。
何代前かは忘れたけれど、パリルス王国から離れることができない何代前の祖先がこの森を買ったのは、ある人たちを隠すためだと。その人たちを隠すのがこの森が最適で、もし万が一リリアンヌがパリルス王国から離れる時はこの森へ逃げてくるように。その時きっとこの森の住人は力を貸すだろうと・・。父様もある人がどの人かわからなかったが・・。ターニャ様にバトラー様にパワース様にヒース様が”ある人”とは思わなんだ。」
父様は苦笑してわたくしの頭をポンポンと撫でました・・。
母様とメリーは二人でこそこそ話して黄色い声あげてる。
「さあさあ・・。ここでは何だし。君たちは屋敷に入ればいい。
君たちの友人も呼ばなきゃいけないんだろ?パワースはさっさと猪を解体して、ターニャとバトラーのところへ行こう。」
ヒースさんは手を叩いて私たちの意識を屋敷へ向かわせました。
確かに、馬車を降りてから今まで時間的に10分くらいだったのに濃度が濃すぎて
屋敷に入って少しはのんびりしたいですわ。
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