mission 15 キノウナニタベマシタッケ


「はっはっは!!ここ掘れしょんべん祭りじゃい!」


「なんて言う拷問なんだ…!」


「くっせえ!やめろ!やめてくれぇ!!」


俺がケルベロスに小便をかけて遊んでいると急に大きな影ができた。そしてケルベロスが浮いた。


「え?」


「犬よ。なにを遊んでる?」


翼をバサバサと羽ばたかせながら大きな鳥はケルベロスを掴んでそう問いかけた。


「ふ、ファニックス…!」


テンマが驚いた顔でその鳥を見上げている。


はあ?ファニックス…?なんだファニックスって…。


「…!!フェニックスのことかよ!?」


「如何にも。私がフェニックス。この犬を連れ戻しに来たのだが…お前たちついでにここで死ね。」


そういうとフェニックスは口から俺たちに向かって火の玉を吐き出した。


「あっつ!!」


なんとか避け切れたが、こんなん当たったら即死だろ!能力もインターバルに入ってる…やべえもうどうしようも−−−


「お困りかな…?少年。」


誰だこいつ…。どっから出てきた!?てか地球人なのか…?


「だれ…なんすか?」


「そんなことはどうでもいいさ。俺は君を知っている。助ける理由はそれだけさ。」


俺のことを知ってる…?俺はこんなダンディーなおっさんのことなんて見たこともないぞ。


「なんだてめえ!いきなり出てきて!」


「邪魔をするならお前も殺すとするか。」


「小鳥達がうるさいなぁ…。少し会話を楽しませてくれよ。」


なんだこのおっさんの威圧感…!さっきまで息巻いてたフェニックスたちが怯えてやがる。


「人間風情が…少しはやるみたいだがこの私の前ではゴミ同然だ!!」


「まずい!そいつは火を吐くんだ!」


「大丈夫さ。」


そうダンディーなおっさんが呟いた瞬間のことだった。おっさん目掛けて飛んできたフェニックスの首が俺の横に飛んできた。


「は…?」


何が起きたのか全くわからなかった。

このおっさんが攻撃したのか?いや何かしたようには見えなかった…。


「フェニックスが死んだ…?あいつは不死身だぞ!ありえねえ!てめえ何者なんだ!」


「どうせ死ぬのに名前なんぞ聞いて何の意味がある?」


その言葉を聞いてケルベロスは逃げ出した。

俺たちが苦戦したあのケルベロスが逃げ出すなんて目の前で起きていることが信じがたかった。


「正しい判断だ。俺が相手じゃなければもう少しくらい走れていたかもね。」


ケルベロスの首が宙を舞った。

今度は微かに見ることが出来た…。黒い炎の様なものがおっさんの手から出たと思えばケロベロスに向かって飛んでき首をはねた。


「見えたかい?ゆっくりやってみたんだ。」


「ふざけてやがる。あんたは敵か?」


「どちらでも無いよ。君に死なれたら困るからね。」


「なんで困る−−−」


「アラタぁあ!!大丈夫かー!!」


フェニックスの火の玉のせいで分断されてしまった俺を探してマザコンが走ってきた。


「あ、ああ。大丈夫だ。」


「誰かと話していたのかい?」


このパターンはこの星に着いた時にもやってる。

案の定、振り返るとそこには誰もいなかった。


「まあな。」


誰だったんだ…あいつ。






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