mission 14 セイザヨリモウンコスワリノホウガアシシビレル
どうしてこうなったんだろうか。
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「俺が真ん中やる!テンマは左、ヒナタさんは右を頼んだー!!うおおお!」
ケルベロス…お前は強いさ。けれど俺には敵わないみたいだな!
「これで終わりだぁぁあ!」
これで終わりだ…今の俺すっげえかっこいい!!
…!?気のせいだろうか。指示を出したはずなのにテンマもヒナタも真ん中の顔に向かって走ってる気がする。
「なっ!?」
「ふざけるなアラタ!真ん中が1番目立つだろう!ずるいぞ!」
「そうだ!てめえ自分1人の手柄にしようとしてんじゃねえだろうな!」
「ばか!!そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
喰われた…。俺たちが真ん中に集結して言い争ってるところをパクっと。
ふざけんなこいつら。ああ。俺はこのままこの生暖かい胃酸に溶かされてうんこになって死んでいくんだろうな…。初恋にミキちゃんは元気だろうか?中学の時に俺を盛大に振ったアカネはまだバレー続けているんだろうか?お母さん親不孝な息子でごめんよ…。
「アラタ。ここ暖かくて気持ちが良いな。」
「黙れ!クソマザコン!くそ…ヒナタは気を失ってるしやっぱこのままうんこになるのを待つだけなのか?」
ふざけんな。このクソ犬のうんこになって死んでたまるかよ。考えろ。何かあるはずだ。
「僕たちはうんこになるのだな…。ふっ…人生って何が起こるかわからないから面白いな。」
ふっ…じゃねえよカス!
「アラタくん…?ここは?」
「起きたか。ここはケロベロスの体内だよ!食われたんだよ!お前たちのせいでな!」
「何を言う。アラタが自分勝手な行動をするからだろう!」
「…こいつマジで。お前の超パワーでどうにかしろよ!」
「無理な話だな。能力にはインターネットが必要だからな。僕の場合は後15分は力を使えないぞ。」
「インターバルな。バカ。」
俺もさっきコピー使っちまったばっかだからダメか。
「食べられちゃったんですか!?え、私たちこのまま溶けて死ぬんですか…?」
くそ…なにも思い浮かばねえ。どうせこのままうんこにされるだけなら−−−
「あ、アラタくん!?」
「アラタ!何をやってるんだ!」
俺は宇宙服を脱ぎ、下にはいていたズボンのベルトを外してチャックを開けた。
そしてそのままそれを下ろした。
「うんこ…するだろ?」
「何を澄ました顔で言ってるんだ!」
「ばかやろう!うんこにされるだけなんて理不尽だろ!俺もしてやるんだよ!うんこ!」
ヒナタは俺の息子(聖剣エクスカリバー)が眩しいのか両手で顔を覆いあうあうしている。
「確かに理不尽だ…。僕もするとしよう。うんこを!」
「いや…やめろ汚いだろ。人のうんこなんて見たくねえ。」
『…。』
俺は踏ん張った。今までにない踏ん張りだ。踏ん張りすぎて腹が攣りそうだ。それでも俺は踏ん張り続けた。
「うおおおおおおお!!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「やあ!こんにちは。僕はうんこの神様だよ!」
ああ。うんこの神様…!どうか俺に力を貸して下さい。
「もう少し!もう少し!頑張れ!頑張れ!」
「はいっ!!」
神様は俺史上…最もデカかった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「みんな喰われてしまった…。どうすればいいんだ。」
ケルベロスに3人が食われてしまい桃太郎の父親は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
「ガハハっ!なにが弱点だ!てめえらなんて俺様にとっちゃただの餌なんだよ!次はてめえだ…!俺たちを裏切った罪は重いぜぇ?」
「…ここまでか。」
「いただきまーーーす!!」
ケルベロスが口を大きく開けて桃太郎の父親を食おうとした。
「くっさ!!」
「はぁ?」
「お前さん!口くっさ!なんじゃこの臭い!」
「なに言って…うおっ!くっせえ!俺の口からうんこの臭いが…まさか!うぉえええ!」
あまりの臭さに嗅覚に優れているケルベロスは自分の口臭で吐いてしまった。
「ふっ…うんこではなくゲロとして出てくるとはな。これも作戦のうちさ。」
「そうだったのか!流石だアラタ!」
「もう…お嫁になんていけない…。」
「お前たち!無事だったか!」
おじいさんは心配そうな顔をして俺たちに駆け寄ってきた。
「おいおい…あんまはしゃぐと血圧あがるぜ?」
「うっ…爽やかな顔してなんか言っとるがゲロ臭いぞ…。」
「…さてクソ犬。しつけの時間だぞ。」
「てめえ!人の体内でうんこするとか正気か!?」
「はっ!なんとでも言いやがれ!」
よし。15分経ってる。これでマザコンのスキルも復活してるはずだ。しかし問題はヒナタだ。ヒナタが悪人モードに入ってない以上、空気銃だけでは同時攻撃は難しいだろう。
「あ。思いついた。」
同時攻撃だと?このクソ犬は俺のうんこを女の子に見られるという恥ずべき状況を作った元凶じゃないか。死んだ方がマシだと思うくらいの苦しみを味合わせてやる!
「おい!テンマ!10分でいいから1人でクソ犬をその場に留めておいてくれ!」
「また何か思いついたんだね。僕は君を信じるよ…相棒!」
テンマが犬の相手をしてる間に俺はテンマの能力を使い、クソ犬の周辺の地面を拳で叩いてまわった。
(なんだ…?あの人間なにをしてんだ?)
ケルベロスはアラタの行動に疑問を抱いたがその答えはすぐにわかった。ケロベロスが立っている場所を中心に地面が崩れ始めた。
「落ちろクソ犬。巨大落とし穴だ!」
「しまった!!」
気づいた時には遅く、穴にハマったケロベロスは身動きをとることができなくなってしまった。
「くそおぉ!!こんな人間共に!!」
「さて。始めようか…!」
「…認めるしか無いようだな。人間のくせにお前達は強かったみてえだ。殺すなら殺せばいい!」
「殺す?バカ言うなよ。」
「お、おい…!なんでズボンのチャックを…?」
俺はズボンから取り出した聖剣エクスカリバーを右手で支え下腹部に力を入れた。エクスカリバーの先から飛び出した聖水はケルベロス目掛けて綺麗な放物線を描いた。
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