mission 7 ウチカメラノジブンブススギ


「なあテンマくんどうやって能力って使うんだ?」


「グーンってやってうおおってやるとパーってなるよ。」


ん?俺の聞き間違えだろうか。


「ん?なんて?」


「だからグーンってやってうおおってやるとパーってなるんだよ。」


そうだこいつは馬鹿だった。くそこいつに聞いたのが間違いだった。


「…他の人達も能力を持っていますので。」


他のメンバーか…!いや誰に聞くんだよ。


「の、能力は自分の意思で発動できるものと突発的に発動しちゃうものがあるの。」


若部ヒナタが口を開いた。


「それはどう言う…?」


「例えばテンマくんの場合は思いっきり殴る、蹴るって言った気持ちに反応して能力が発動するし、私みたいに自分の意思関係なく急に発動しちゃうパターンもあるの。」


なんてわかりやすい説明なのだろうか。つまり俺の場合はこいつをコピーしてやるって思ったら出来るパターンか気付いたらコピー出来てたパターンの2択ってわけだ。


「ありがとう…。よし。」


アホマザコン…!お前の能力コピーしてやる!


…。なにも変わりが無い気がする。まさか突発型なのか!?だとすればどうやって…。


「コピー出来たかい?試しに僕を殴ってみてくれ。」


こいつマザコンに加えてマゾも追加しなきゃいけないのか…?いやでも確かに殴ってみれば能力が発動してるのかどうかわかるか。


「いいんだな?」


「ああ。来てくれ!」


よく考えたらここに来てからこいつには迷惑しかかけられていない。そんな恨みもこめて俺はマザコンに向かって拳を突き出した。


驚いた。俺の拳は能力を使っているはずのテンマを2mくらい後退させる程の威力を纏っていた。


「…驚いたな。良いパンチだよ。」


「あ、ああ。俺も驚いた…。」


「成功した様ですね。では計画通り2人でゴーランダ星に…と思いましたがあなた方2人ではやはり心配です。若部さん貴方も同行してください。」


「それはいいですけど私は彼らのようには…」


「貴方は所長の1人用宇宙ポッドを使って下さい。」


宇宙ポッド…?そんなんあるなら最初からそれでいいじゃねえか!


「あなた方には罰のようなものですから。」


こいつ…心の中でも読めんのかよ。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「それでは私は先に出ます!」


そう言うとヒナタは宇宙ポッドに乗り込みゴーランダ星に向かって飛び立っていった。


「ねえ、アラタ。僕思いついたことがあるんだ。聞いてくれるかい?」


「嫌だ。」


こいつの思い付きなんてどうせとんでもない事だ。聞かない方がいい。


「僕たちが宇宙を彷徨ってる時に敵襲に合えば会ったばかりの僕たちは意思疎通が出来ずすぐにやられてしまうだろう?」


「え?俺嫌って言ったよね…?なんで普通に話し続けてんの?人の意思尊重しないなら最初から聞かないでくれる?」


「そこでだ。手でも数字でもアルファベットでもいい。合図を決めないかい?


お前アルファベット読めんやろ…。しかし、合図…なんか映画によくありそうでかっこいいじゃないか!


「しょうがないなぁ〜。いいよ?」


俺たちは出発の時間までどんな合図が良いのか時間が許す限り話し合った。

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