第40話
「よし、今日も行こう」
家を出た後、僕は独り言ちる。今日も散歩部の活動日であり、空は綺麗に晴れていて最高の散歩日和だと言えた。
そしてゆっくりと歩き始めてから数分後、携帯がブルブルと震えだし、僕は携帯を取り出した。見ると進君からの電話であり、僕はゆっくりとその電話に出た。
「もしもし」
『もしもし、歩?』
「うん、どうかした?」
『いや、今日はお前達の活動日だけど、うっかり寝過ごしてないかと思ってな』
「あはは、それは大丈夫。日頃から早寝早起きを心がけてはいるし、今だってお屋敷に向かってるところだしね」
それを聞いて進君は安心したように息をつく。
『そうか。まあ俺はサッカー部の活動があるから参加出来ないけど、明日ならまた見学に行けそうだ』
「そっか。そうだ、進君も散歩部に入らない? あれからも妖怪さんとGO! は続けてるんだよね?」
『ああ、何だかんだで楽しいし、サッカー部の奴らにも勧めてみたら結構乗り気でやってるみたいだ。けど、俺は見学者としての立場から変わる気はないな』
「どうして?」
電話の向こうで進君はクスリと笑ってから答えた。
『その部活動はお前と早穂さんの活動だからな。今後もそのままでいてほしいし、俺はその様子を一歩引いたとこから見ていたいんだ』
「……そっか。それなら仕方ないけど、見学ならいつでも大丈夫だからね」
『ああ、わかった。さて、俺も部活動始まるからそろそろ切るな』
「うん。サッカー部の活動、頑張ってね」
『ん、ありがとうな。じゃあまたな』
進君との電話が終わり、僕は携帯をポケットにしまった。そして再び歩くこと数分、お屋敷の前に着くとそこには早穂さんの姿があった。
「早穂さん、おはよう」
「おはようございます、歩さん。本日も良いお天気ですね」
「そうだね、最高の散歩日和だと思うよ。早穂さんの体調も万全そうだしね」
「それはもちろんです。楽しく活動をするためにより体調管理には気を付けていますから」
「ご両親と吉良さんには心配をかけたくないしね。それは良い事だと思うよ」
早穂さんは嬉しそうに笑いながら頷く。
「はい。こんなに楽しい事なのですから活動を止めさせられるなんて嫌ですし、これからも続けていきたいですから」
「僕も同じ気持ちだよ。さて、それじゃあ早速今日も始めていこうか」
「はい」
早穂さんが答えた後、僕達はいつものように妖怪さんとGO! を起動してワラシちゃんからお題を貰った。
「今回のお題は比較的軽めな感じだね」
「そうですね。ですが、お題には真剣に臨みましょう」
「だね。よし、それじゃあ行こうか」
「はい!」
そして僕達は歩き始めた。今日も部活動を楽しむために。
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