第2話

目が覚めるとまず知らない天井が目に入った。おかしい。さっきまで会社にいたはずだ。そう思いながら体を起こした。目に入るのは会社の重たい景色ではなく、キラキラと輝く部屋だった。まず俺が寝ていた場所はふかふかの天蓋付きベットだった。家具も俺では買えないような高級品ぽいのばかりだ。俺はこんな物で寝ることが夢だったのだろうか。俺の夢はなんともファンシーだなぁと呑気なことを考えていた。

「お、目が覚めたか。」

とベットの横から声がした。その声は低く、穏やかで、耳に馴染む心地の良い声だった。声のした方を向くと、そこには信じられないほどのイケメンが立っていた。髪は太陽の光を浴びたキラキラとしたブランド。目は息を呑むほど美しい紅色の瞳だった。俺はただただ見惚れていた。

「どうした?どこか悪いのか?」

と言いながらイケメンが心配そうに近づいて来た。

「熱は無さそうだな。」

イケメンは自分のおでこと俺のおでこをくっつけながらそう言った。

「うわぁぁあ!」

びっくりした俺は焦ってベットから落ちた。痛い。すごく痛い。

痛い?痛いってことは現実なのか?俺が混乱していると身体がフワッと宙に浮いた。というか、イケメンにお姫様抱っこされた。頭が追いつかない。

「危ないなぁ。」

と微笑みながらベットに寝かせてくれる姿に恥ずかしさを感じながらも少し安心してしまった。

そして俺はこの状況を理解するためにイケメンから話を聞くことにした。

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