最終話:凛音はいい女に、シモンは天使に。
虜になりつつあった。
部屋に入るとシモンがベッドに寝そべって凛音を見ていた。
シモン、ダメよって言おうとしたけど・・・なにもしゃべれなかった。
「凛音、おいで?」
「ここにおいで・・・可愛がってあげるから」
凛音は必死で逆らおうとしたが頭も体もシモンの誘惑には逆らえない。
吸い込まれるようにベッドへ・・・。
自分の意思とはうらはらに勝手に足が動いていた。
ああ・・・私、シモンに犯されちゃうんだ。
そう思うだけで凛音は濡れた。
「シモン・・・可愛がって・・・私を好きにして・・・お願い」
「いい子ね、凛音」
凛音はシモンにいざなわれるまま、彼女に
シモンの手練手管・・・魔法のような手と舌。
「そこよ」ってところを確実に攻められた。
凛音にとってそれは今まで経験したことのない快感だった。
頭のてっぺんからつま先まで、言い知れないエクスタシーが駆け巡った。
「ダメ・・・ダメよ・・・あ、気持ちいい・・・イっちゃう・・・」
何度その言葉を発したか・・・その言葉しか出なかった。
今まで凛音にとってセックスは想像の中でしかなかった。
それだけにシモンとの交わりは目から鱗だった。
その夜以来、凛音は毎晩シモンに犯された。
むしろ壊れるくらい犯して欲しかった。
シモンとセックスするようになって凛音は少しづつ変わっていった。
会社でもドジを踏まなくなったし、忘れ物もしなくなった。
しかも会社の同僚の男子から好きだって告白されるわで、神様に願ったことが
現実になっていった。
もちろん凛音にはシモンって言う彼女がいたから同僚の男子からのありがたい
告白は、つつがなくお断りした。
凛音は思った。
シモンと出会えてよかったって。
だけど不安もあった・・・もし自分が手のかからないデキる女になったらシモンは
私から離れて行くのかなって・・・また私みたいな落ちこぼれを救済に行っちゃう
のかな。
そう考えると、いい女になんかならなくていいと思った。
このまま落ちこぼれの自分でいればいい。
ずっとダメ女でいたら、シモンはずっと私のそばにいてくれる。
だけどそれはシモンとのセックスレスを意味していた。
そんなことは我慢できない。
凛音はシモンとのセックスの虜になっていた。
すっかり依存してしまっていた。
ニンフォマニアって言葉があるように凛音は女性の異常な性欲亢進にかかっていた。
欲求を求めるけど、かと言って浮気はしない。
今では性的満足を得ることよりも自己のアイデンティティーの確認をしたがる。
おそらく、この世で今の凛音を満足させることができる男性はひとりもいない
だろう。
凛音にはもうシモンがいない世界は考えられなかった。
それにしたがい凛音はシモンの狙い通り徐々にいい女へと変貌していった。
内面だけじゃなく、外観も・・・ビジュアルさえ美しく変えた。
凛音は身も心もいい女になった。
ある日のこと、凛音は朝、目覚めると自分横で眠るシモンを見た。
そして驚いた。
黒かったシモンの髪が真っ白になっていたからだ。
なにが起きたのかよく把握できないまま凛音がシモンを起こした。
「シモン・・・あなたになにが起きたの?」
「なにがって?・・・私はいつもと分からないよ」
「変わってるよ・・・だって髪の色が白くなってる・・・昨日とは違うもん」
凛音にそう言われてシモンはベッドから立ち上がって姿見に自分の姿を映した。
そこには完璧な天使の美しい裸が映っていた。
「ああ・・・私天使に戻れたんだ」
そう言うとシモンは、背中に同化していた羽を出すと、背伸びするように
羽を大きく広げた。
「シモン・・・綺麗」
凛音は美しいシモンに魅入られた。
たぶん、凛音がいい女になったことで、半ば悪魔になりかけていたシモンは
神様の計らいで天使に戻れたようだった。
「ねえ、シモンが天使に戻れたってことは、もしかして天国に帰っちゃうの?」
「帰らないよ・・・ずっと凛音のそばにいる」
「だって私がついてないと凛音はまたダメ女に戻っちゃうでしょ」
「シモン大好き!!」
凛音もそうだけど、シモンにとっても凛音と過ごすことはもう幸せなことに
なっていた。
ってことで凛音とシモンのガールズラブは、これからもずっと続いて行くこと
になる。
たぶん凛音がこの世を去るまでね。
END.
※規制があるので恋愛小説に性的描写を具体的に表現できないのは残念です。
それを抜きにして恋愛は語れないし言ってみれば、そのシーンが一番の山場
でもあるからです。
だから思うんです、できればですけどアダルトジャンル開設してくれたらなって。
ひとりごとです、スルーしてくださってけっこうです。(=^x^=)
落ちこぼれOLと堕天使の媚薬。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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