4
自由時間。シンエイ、サイカ、エイキはいつものように自室に引きこもっていた。彼らは同チームで、部屋はチームごとに分けられているのだ。通常は六人チームで六人部屋だが、訳あって現在は三人で広々と寛いでいる。
「なあサイカ、第五世代の入校の決定って本当なのかよ」
部屋に盗聴器がない事が確認できると、三人ともベッドに倒れ込んだ。シンエイは第五世代の事が気になっていたのか、早々に話題を切り出した。
「第五世代が来るの? それは存分に殺し合えってことかな」
「お前はすぐ殺すって言うのやめろ」
シンエイは、戦闘狂のエイキに向かって枕を勢いよく投げた。だが投げた枕は見事にエイキの顔に当たり、これにシンエイは少し驚いていた。
「僕の最近組んだ諜報科の奴がね、教官に聞いたって」
シンエイは驚いて目を丸くし、サイカの方を見て反論する。
「聞いただって? そんな極秘情報、一般教官は知らねえだろう。 知ってるとして副教官長より上ぐらいだろうけど、普通に教えてくれるわけない。 嘘かもな」
シンエイは、期待とは裏腹に、安堵した様子で、再びベッドに寝転がった。
「僕も七割は信じてない。 諜報科の奴って諜報の練習で戦闘科を引っ掻き回すの好きだしね。 ただ、稀に教官にも拷問したりして、情報を得る奴もいる。 今回組んだのは、変装とか潜入が得意らしくて、結構侮れないんだよ」
サイカは何とも言えない苦笑いをした。
「だから俺は諜報科と組まないんだよな。 本当に苦手だ」
シンエイは、心底うんざりした顔を隠そうともしていない。一方で、エイキは何かを思い出していた。
「あながち嘘って訳でもないんじゃないかな。 ここに来る前に、戦場で他チームのメンバーが、第五世代の育成始まるって、噂してるの聞いたし」
エイキの話に、シンエイとサイは顔を見合わせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます