B.大声で助けを求める
(この物語は、前章「不思議な店」の末尾でBを選んだ方の為にあります。Aを選んだ方は「A.勇気を振り絞り、巨人に殴りかかる」の方をお読み下さい)
助けてくれ。
貴方は大声で叫んだが、その声は周囲にむなしく響いただけだった。
巨人の肩らしき辺りがわずかに動く。嘲笑しているようだった。
怒りと、それ以上の絶望が貴方を押しつぶそうとする。
だが、その時。落した本が開いた。ページから、赤い薔薇の花びらが吹き上がり、赤黒い空間の中で渦を巻く。
薔薇の嵐の中から、幾つもの人影が現れた。
彼らは皆、大きな飾り羽根をつけたつば広の帽子を被り、闘牛士のようなひだの多い衣装をまとっていた。全員で四人。いずれも長身の、容姿の整った男たちだった。
四人のうち、三人が影に対峙する。
残りのひとり、白い衣装の青年が貴方の横に降り立つ。
青年が貴方の肩に触れる。何か暖かいものが伝わってくる。心が落ち着いてきた。
「助けを求めてくれて有り難う。我らは、守るべき方がいることで顕現できる」
白い衣装の青年が、腰の剣を抜く。針を大きくしたような、鋭い
「さあ、共にやつを斃そう」
青年と共に、その細剣を握る。
巨人に向かって細剣を突き出す。細剣から光が放たれる。光に貫かれた巨人がよろめく。
その光はますます強くなり、貴方は耐えられず目をつぶった──。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます