第2話 青い犬


夜霧が風を渡る

マンドリンの響きが葦間を抜け

灯りが胎児を照らす

その時まで、待たれなかった秒針は

鉱夫によって折られ

織る布の赤さと

さ迷える兵士の鋲靴が

泥の溝を犬の歯茎の形にする

過去も未来もなく

バナナフィッシュを見たという娘

ニコチンが足りないから、

煙が目に沁みる

精神と肉体どっちが本当?

白い羽と

青い花

死の色は?

青い犬の犬種はなんだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無題 詩 @ogaprofane77

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る