第3話~復讐~

「小野落さん・・・」

その顔を見て私はつぶやく。彼女は美優たちと一緒に私がいじめをしていた人だった。あ~あ。私は今から小野落にいろいろ言われるんだろうな。そう思っていたが小野落の口から出た言葉は意外なものだった。

「大丈夫?体調不良って聞いたから心配したのよ?」

え・・?心配してくれてたの?

「な・・・んで、心配してくれるの?私さんざん小野落にひどいことしたのに。」

不思議だった。小野落は私のこと妬んでたに違いないのに。

「確かに腹が立ったよ。でもね。私が誰よりもいじめられる苦しみを知ってるから。」

ああ。なんて優しいのだろう。美優が小野落をいじめた理由はこれなんだな。私はそう思った。美優は自分より人気がある人を好まない。だから自分より人気がある人をいじめる。情けないところを見せて人気を落とす。馬鹿な人間。

「とりあえずうち入りな?話したいこといっぱいあるし。」

そういって私は小野落を自分の部屋に連れていた。先に口を開いたのは小野落だった。

「あのさ。大月さんがいじめられるようになったのって急に始まったよね。何がきっかけだったの?」

私は簡単に事情を説明した。小野落はうなずいたり相槌をうったりしてしっかりと聞いてくれた。

「そう。そんなことがあったのね。そりゃ美優がいじめるわけだ。」

小野落を見て私は思った。何を私は被害者ぶってるのだろうか。私も今ひどいことになってるけど一番ひどい目にあったのは小野落じゃないか。

「小野落。今まで本当にごめんなさい。私より苦しかったはずなのにっ・・」

誤ってる途中で涙が出てきた。私は自分がいじめられる苦しみを知らずに小野落をいじめてた。なんてひどい人間なのだろうか。小野落の反応が怖かった。

「全然いいよ。大月さんは直接いじめをするようなことしてないの、私は知ってるよ。あの時大月さんはあのグループにまじってずっと私を笑ってたけど私には一度も何もしてこなかったじゃない。」

言われてみればそうだ私は小野落に直接いじめたわけじゃない。でも止めなかったのだから同罪だ。私は嗚咽をもらしながらもう一回誤った。

「本当にごめん。」


そのあとは色々話した。美優の愚痴とか今日学校であったこととか。そんなことを話しているうちに小野落は言った。

「あの。大月さん。いや、遥。美優に復讐しない?」


「・・・・え?」

~4話へ続く~

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